1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08458017
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
大築 立志 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 教授 (30093553)
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Keywords | 予測 / 時間的予測 / 反応時間 / 随意筋力 / 刺激呈示確率 / 筋放電潜時 |
Research Abstract |
健常な成人被験者を用い,一定時間間隔で3回の光(LED点灯,100ms)を与えた後、種々の時間間隔で与えた光刺激(LED点灯,300ms)に対して、できるだけ素早く右肘関節屈曲の等尺性随意筋力を発揮する課題を行わせた結果、次のことが明らかとなった。 1)3回の光から刺激までの時間間隔が3回の光の間隔と同じである試行の数を他の2倍にして、呈示確率の大きい予測しやすい刺激時刻を設定すると、筋放電開始潜時からみた筋力発揮開始潜時は、呈示確率の大きい時刻より早く刺激が呈示されると延長し、同時刻より遅れて呈示された場合には、コントロール条件(foreperiodランダム)と等して一定値を示した。2)発揮筋力持続時間は、予測より早く刺激が呈示された場合にはコントロール条件より短く、逆に予測より遅れて刺激が呈示された場合には延長する傾向を示した。3)発揮筋力の最大値は刺激呈示時刻の早遅によらず一定であり、しかもコントロール条件より大きかった。これらの結果は前年度の音刺激を用いた実験結果と同様であった。 以上のことから、ヒトの脳は筋力発揮の開始、停止、及び発揮筋力量の3つを独立にプログラムしていると考えられる。
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