1996 Fiscal Year Annual Research Report
脳波(α波)を基準にした運動処方の確立と予防医学的効果の検証
Project/Area Number |
08458019
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
森谷 敏夫 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 助教授 (90175638)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松村 道一 京都大学, 総合人間学部, 助教授 (20150328)
中尾 一和 京都大学, 医学部, 教授 (00172263)
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Keywords | 運動処方 / 脳波 / 心臓自律神経活動 |
Research Abstract |
本研究の目的は、有酸素運動がもたらす精神的、肉体的リラクセイション効果を特に脳波(α波)を基準にして評価し、最適な運動処方の開発を目指すとともに、習慣的な運動実践がもたらす自律神経活動動態、血圧・循環調節ホルモンおよび内因性オピオイド(βエンドルフィン)に対する影響を総合的に解明しようとするものである。 今年度は、脳波周波数解析やマッピングのコンピュータ処理・解析プログラムの開発を完了して、被験者6名を対象に安静時脳波パワースペクトルの実測を行い、実験方法の再現性、妥当性に検討くわえた。脳波の解析は各周波数対域毎のパワースペクトルにより平均周波数、振幅値、および相対的貢献度を求めた。 また、心臓自律神経活動動態の評価には、京都大学医学部第二内科との共同研究により新たに心拍変動スペクトル解析法を開発した。この方法の妥協性を検討するために、交感・副交感神経活動の遮断剤の投与による薬理実験行った。その結果、安静時では副交感神経活動を反映している高周波成分が呼吸とほぼ同期して(0.25Hz,15/min)スペクトルに現れた(呼吸性不整脈)。副交感神経の遮断剤であるatropine静注後では、心拍数が60から91拍/分に上昇し、高周波成分が顕著に減衰した。Atropineと交換神経遮断剤の両ブロックでは、心拍変動はほぼ完全に消滅し、安静横臥から直立姿勢に変化しても殆どスペクトルは変化を示さなかった。これらの結果から、本研究を遂行するための脳波解析及び自律神経活動動態の評価に必要なコンピュータ処理・解析プログラムはすべて完成し、実践研究への応用が可能になることが確認された。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Shibata,M.et al.: "Determination of the optimal walking speed for neural relaxation in healthy women using EMG and EEG analyses" European Journal of Applied Physiology. 75. 206-211 (1977)
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[Publications] 森谷敏夫,他: "運動前後における脳波,自律神経活動、血圧・循環調節ホルモンの変化" 運動生化学. 9. 78-81 (1977)