1997 Fiscal Year Annual Research Report
多段階運動負荷テスト時の二重積屈曲点に関する基礎的・応用的研究
Project/Area Number |
08458023
|
Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
田中 宏暁 福岡大学, 体育学部, 教授 (00078544)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 守 福岡大学, 体育学部, 教授 (00163577)
清永 明 福岡大学, 体育学部, 教授 (70177955)
進藤 宗洋 福岡大学, 体育学部, 教授 (30078539)
|
Keywords | 二重積 / エピネフリン / ノルエピネフリン / 血圧 / 運動 |
Research Abstract |
本年度はまず二重積屈曲点(DPBP)の発現機序が交感神経の活動亢進に由来するとの仮説を検証する目的で低酸素でカテコールアミンの閾値の低下を誘発しDPBPへの影響を調べた。健常男子8名に通常酸素濃度と低酸素濃度(12%O2)の空気を吸入しながら自転車エルゴメーターによるランプ負荷テストを行った。DPは15秒毎に測定し、採血は手背側部の静脈にカニューレーションし、連続的に採血した。その結果低酸素下ではエピネフリン、ノルエピネフリンともに閾値が低下した。DPBPはカテコールアミンの閾値と同程度に低下した。両条件下のDPBPとカテコールアミンの閾値間には有意な正相関が認められた。以上の結果からDPBPは交感神経活動亢進に関連する現象であることが示唆された。さらに有酸素的作業能力の指標である最大酸素摂取量や乳酸閾値の低下とも関連していることがわかり、DPBPは有酸素的作業能力の指標としての有用性も示唆された。 DPBPの年齢基準値を作成する基礎実験を開始した。本年度は60歳以上の高齢者30名について測定を終了し、高齢者のDPBPの分布が明らかになった。 その外、トレッドミル負荷中に約10%DPBPが測定できなかったがその理由に身体を支えるためにバ-をつかむため血圧が正確に測れないとの仮説が浮上したので、自転車エルゴメーターを用いてハンドルの保持様式の違いがDPBPの測定に影響するか否かを検討した。方法は10名の被検者に両手保持、片手保持、手放しの3様式をランダムオーダーで行った。しかしいずれの条件でもDPBPは検出され、3様式間に有意な差は認められなかった。従って少なくとも自転車エルゴメーターを用いて測定するかぎりはハンドル保持の有無はDPBPに影響しないと結論した。
|