1998 Fiscal Year Annual Research Report
衛星画像による東アジアの都城の復原に関する歴史地理学的研究
Project/Area Number |
08458026
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Research Institution | International Research Center for Japanese Studies |
Principal Investigator |
千田 稔 国際日本文化研究センター, 研究部, 教授 (20079403)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小方 登 奈良女子大学, 文学部, 助教授 (30160740)
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Keywords | 東アジア / 都城 / 衛星画像 / 偵察衛星 / 南朝 / 西城 / 勃海 / 中国古代 |
Research Abstract |
平成8〜9年度にかけて、方法論的な検討を重ねてきたが、今年度は1960年度に撮影されたアメリカの偵察衛星の写真(アナログ)を用いることによって、かなりの成果を得られることを東アジアの各地の都城を対象として試みた。とりわけ、今年度は中国古代の鄭州古城や臨溜斉城、那鄲趙城といって年代的に古い都城について、衛星画像によるプランの復原の有効性について考察した。その結果、考古学的な調査がなされたことによって、わずかでも城壁の遺構が明らかになっていいるならば、それを手がかりにして、復原を試みることは可能であることが確認された。さらに中国南朝の建康については、かつてSPOTによる復原を試みたが、今回用いた偵察衛星の画像の方がより、細部を検討することができた。また、剤渤海国の都城については、そのプランが鮮明に写し出されていて、都城研究に新しい視点を提示することができ、対象地域を中国西城にも広げ、カラシャール、セミレチェ、バクトリアの故城の位置の確認やプランの復原をした。今年度は、本研究の最終年度にあためために、研究報告書を刊行したが、衛星画像による東アジアの都城の体系的な復原は世界で初めての成果であり、研究者らに多くの素材を提供することができたと考える。今後、われわれの成果は、より深化させ、現地調査をも実施することによって、いままで十分明らかでなかった、東アジアの都城の実体はその全体像を見せることは間違いないといってよい。
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Research Products
(1 results)