1997 Fiscal Year Annual Research Report
日本語能力簡易テストSPOTの開発研究-Simple Performance-Oriented Test
Project/Area Number |
08458055
|
Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
小林 典子 筑波大学, 文芸・言語学系, 助教授 (00241753)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 たか子 筑波大学, 文芸・言語学系, 講師 (40215588)
山元 啓史 筑波大学, 文芸・言語学系, 講師 (30241756)
|
Keywords | SPOT / 外国語としての日本語 / 日本語能力 / テスト / テスト処理 / 文法項目ラベル |
Research Abstract |
SPOTとは外国人日本語学習者の日本語能力を簡単に測定するものとして我々が開発したものである。基本的には二レベルの難度の問題基準があり、それに応じたテストヴァージョンを作り続けている。これらのテストを学習者のプレースメンテストとして試用する日本語教育機関は国内(筑波大、北海道大学、名古屋大学、など)外(アメリカ、オーストラリア、韓国など)で数十校に増加した。また、第2言語としての日本語の習得研究の基準としてこのテストを利用した研究も出始めた。 本年度は各問題項目の難易を決定する条件を得るためのデータ収集を、別途作成の文法項目学習診断テストとSPOTの各バ-ジョンの両タイプを実施しておこなった。 また、コンピュータによる自動テスト処理システムの試作が完成し、学習者にフィードバックできる方法に見通しがたった。パソコンへの入力には労力を要したが、教師のための統計処理結果が自動的にでき、また、学習者に対しては点数、誤りの傾向を知らせるための結果シートを返却できた。現在、分析の精度をあげるために、文法項目の分析、項目ラベルのデータベース作りをしている。このラベルを他の基準テストにも付け、相関を見ることで、文法項目の知識とSPOTでの得点率を調べることが必要である。 一方、SPOTの言語テストとしての妥当性の研究のために、学習者のface validity調査も試みた。その結果、教師側にとっては便利であっても、時間的にも方法の上でも処理の簡単なテストは、受験者に自己の実力を納得させるには不満が残るもののようで、テストにはある程度の時間をかける必要があるという心理的な側面の問題も浮かびあがってきた。
|
Research Products
(4 results)
-
[Publications] 小林 典子: "日本語学習者に対するプレースメントテストとしてのSPOT" 外国語としての日本語能力の測定 国際シンポジウム(筑波大学). 1-7 (1997)
-
[Publications] 酒井 たか子: "プレースメントテストで測定する日本語力" 外国語としての日本語能力の測定 国際シンポジウム(筑波大学). 8-17 (1997)
-
[Publications] 山元 啓史: "SPOT処理システムとファイルのフォーマット" 外国語としての日本語能力の測定 国際シンポジウム(筑波大学). 18-25 (1997)
-
[Publications] 山元 啓史: "測りたかったことと測れなかったこと" 外国語としての日本語能力の測定 国際シンポジウム(筑波大学). 87-91 (1997)