1996 Fiscal Year Annual Research Report
人間行動の非線形情報処理構造の解明のための生態学的統合計測評価手法に関する研究
Project/Area Number |
08458083
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
和田 充雄 北海道大学, 工学部, 教授 (90271650)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
下条 誠 生命工学工業技術研究所, 人間環境システム部, 研究室長
山口 明宏 北海道大学, 工学部, 助手 (60281789)
横井 浩史 北海道大学, 工学部, 助教授 (90271634)
三上 貞芳 北海道大学, 工学部, 助教授 (50229655)
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Keywords | 人間感覚・行動 / 実時間無標点人間計測 / 触覚・グラスピング / マンマシンインタラクション / カオス・非線形相互作用 |
Research Abstract |
本研究は、人間の多様な行動における非線形情報処理のプロセスを解明するために、人間がおかれた環境の動的要因と人間自体の多様な反応時間をもった動作要因を同時に扱える多数のセンサ群を時間的空間的に統合した生態学的な計測評価手法を確立することを目的とし、本年度は以下の成果を得た。 1.人のリズミックな行動に見られる同調、遷移、競合等の非線形情報処理構造を解明するため、生態微細振動とよばれるカオティック波形、及び指先脈派のリズミック波形を観測するシステムを試作した。さらに、得られたデータから、それを生成する非線形力学系への多次元埋め込み手法等の解析を加え、人の緊張状態、睡眠状態などで非線形アトラクタ構造が大きく変化することを見出した。さらに、生体信号のような多次元のカオティックなデータを再構成できるニューラルネットワーク力学系を遺伝的アルゴリズムを用いて設計する手法の開発を進めた。 2.人間行動を無標点かつ実時間で観測できるトラッキングビジョンを用い、動物体の計測を行えるシステムを構成した。多点トラッキングでは照明などの影響が大きいので課題を残すが、特定部位の追尾には頑健性があることから、リズミックに変動する動体画像の明暗を数段階でとらえ動きを予測する手法を考察し、これによってセンシングの行動プランを生成することができることを示した。また、柔軟面状の触センサをもったグローブ状の把持力計測装置を開発し、ビジョンと融合させることにより、人間の把握動作の巧緻性を評価できるシステムを構築した。 3.今後、被験者実験により、マンマシンインタラクションの中で通常見られるカオティックなリズムの力学的構造特性を計測評価しデータを蓄積していくことにより、今後の望ましいインタフェースへの応用を展望していく。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Mitsuo Wada: "Towards a Mind Based Technology" Journal of Robotics and Mechatronics. 9・1. 2-6 (1997)
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[Publications] Toru Kumagai, Mitsuo Wada, Sadayoshi Mikami :"Learning of Recurrent Neural Networks Through Genetic Algorithm with lnternal Copy Operator" IEEE International Conference on Neural Networks. 96. 141-148 (1996)
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[Publications] Shigeru Sato, Makoto Shimojo, Yoshikazu Seki, Akihiro Takahashi Shunji Shimizu :"Measuring system for Grasping," 5th IEEE International Workshop on Robot and Human Communication,. 292-297 (1996)
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[Publications] 山口明宏: "Open flow systemにおける空間方向分岐現象の機械機構" 物性研究. 66・5. 846-851 (1996)
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[Publications] 下条 誠: "人間感覚のセンシング技術" 電気学会論文誌. 116・1. 20-23 (1996)
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[Publications] Hiroshi Yokoi, Yukio Fukui, Juri Yamashita, Makoto Shimojo: "A Study on Force Feed-Back Device using 6 D.O.F Cartesian robot" Journal of Robotics and Mechatronics. 9・1. 24-32 (1997)