1996 Fiscal Year Annual Research Report
制御不能流の理論構築と交通・通信・日程計画における輻輳現象の解明・制御への応用
Project/Area Number |
08458097
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Chuo University |
Principal Investigator |
伊理 正夫 中央大学, 理工学部, 教授 (40010722)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田口 東 中央大学, 理工学部, 教授 (50114533)
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Keywords | 制御不能流 / ネットワークフロー / 渋滞 / 輻輳 / 大規模計画問題 / 交通 / 通信 / 日程計画 |
Research Abstract |
本研究のテーマである新しい流れの理論の構築に関して,交通問題に重点をおいてデータ収集,文献調査,ならびに理論の部品となる概念の確立,法則性の発見などの基礎的研究を進めた. データ収集に関しては,交通基盤データとして日本全国の主要な道路のネットワークデータ(国土地理院),都市地域の土地利用を調べるための関東圏の国勢調査データ,事業所統計調査データ,マッピングを行なう行政区界データを入手し,本研究費で購入したワークステーションIBM RS/6000上で利用できるように展開した.また,図形読取装置を,地図からの地形の入力,人口データ調査区の位置の入力に利用した.これらのデータは後述する理論展開の実証に一部を利用したほか,既存理論の枠組みの中であるが,施設配置問題,経路探索問題,地理情報システム構築の基礎研究にも利用して,その有効性と利用の限界について調査した. 新理論の基礎的研究に関しては,次のようないくつかの方面から考察を進めた.まず,都市内の人の交通を想定して,一定の地域に住む人々の任意の対の間に確率的に交通が発生するとしたモデルを考え,渋滞を起こさないために必要十分な交通容量を確保しながら居住領域を定めるという配分問題を考察した.地域の例として都市をコンパクトに収容したビルを考え,住民の人口と活動量に応じて最適なビルの規模があることを示した.加えて,2次元的な領域を例として,地形による外縁部の形状が交通路・居住地域の配分に与える影響を,モデルによる計算と実際の都市の様子を比較して示した.また,交通ネットワークの全体としての容量を損なうことなく,それぞれのリンクの交通容量を減少させる「ネットワークのスリム化」について,その算法を理論面から論じた.この概念は,大規模システムに対する最適な投資配分を考えるときの有効な道具となると期待される.
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Research Products
(3 results)
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[Publications] 田口東: "居住と通路の配分を考慮した最適なビルの規模" 日本オペレーションズ・リサーチ学会春季研究発表会アブストラクト集. 2-A-6. 130-131 (1996)
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[Publications] 田口東: "内々交通に対する交通路と居住地域の配分" 日本オペレーションズ・リサーチ学会秋季研究発表会アブストラクト集. 2-C-6. 180-181 (1996)
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[Publications] 山口雅弘,伊理正夫: "容量付きネットワークのスリム化について" 日本オペレーションズ・リサーチ学会春季研究発表会アブストラクト集. 1-B-11. 48-49 (1996)