1997 Fiscal Year Annual Research Report
都市水害の予測とそのハザードマップへの応用に関する研究
Project/Area Number |
08458101
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Research Institution | KYOTO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
井上 和也 京都大学, 防災研究所, 教授 (50026126)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中川 一 京都大学, 防災研究所, 助教授 (80144393)
細田 尚 京都大学, 大学院・工学研究科, 助教授 (10165558)
戸田 圭一 京都大学, 防災研究所, 助教授 (70273521)
村本 嘉雄 京都大学, 大学院・工学研究科, 教授 (50027223)
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Keywords | 氾濫解析 / 被害予測 / 避難解析 / 都市水害 / 地下空間 / GIS(地理情報システム) / ハザードマップ |
Research Abstract |
陸生の洪水や内水,あるいは海性の高潮などに対する都市の耐水性について,街路,建造物,地下空間などの都市特性を重点的に取り入れて研究し,その成果のハザードマップ化を考察してきた.とくに本年度に得られた主な成果は以下のようである. 1.都市内の建造物や街路網を取り入れた氾濫解析法を開発した.従来の2次元平面流れとしてデカルト座標系で解析するときの問題点を整理するとともに,氾濫水の伝播経路となる街路をそのまま取り入れられるように,一般曲線座標系モデルおよび1次元街路ネットワークモデルを構成した.街路網が発達した都市においては,街路ネットワークモデルによれば建造物による遮蔽の効果や街路に沿う流れなどを考慮することができ,このモデルが広い汎用性と実用性を有することが分かった. 2.多層構造をなしている地下空間を1の成果を取り入れ,また天井によって水深が限定されているため開水路状態と管路状態が混在し遷移するという水理的特徴があることを考慮に入れて,モデル化した.解析例によれば,氾濫の規模によっては,一部の地下街では満流状態が現れるとともに,それが上部の層の浸水深を増大させるという地下空間での複雑な挙動が明らかになった. 3.氾濫被害の算定法について,従来より用いられている治水経済要綱による手法に加えて,浸水による営業停止損失の算定法などを改良した方法,およびGIS利用を念頭において町丁ごとの地域属性に応じて算定する方法を提案した.従来の方法では被害額が若干大きく評価される傾向があるが,本研究で提案した方法でもほぼ妥当な結果が得られ,簡便化が期待できるGIS利用の方法の将来性が知られた.
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[Publications] K.Inoue: "Refuge Analysis under Storm Surge Flooding in an Urban Bay Area" Proc.4th Japan-Chinese (Taipei) Joint Seminar on Natural Hazard Mitigation. 275-284 (1997)
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[Publications] H.Nakagawa: "Estimation of a Debris Flow Hydrograph and Hazard Area" Proc.1th International Conference of Debris-Flow Hazards Mitigation. 64-73 (1997)
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[Publications] 戸田圭一: "中国およびベトナムの大都市における水災害の実態とその対策" 京都大学防災研究所年報. 40・B-2. 323-331 (1997)
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[Publications] 中川 一: "GISを用いた避難行動の解析" 京都大学防災研究所年報. 40・B-2. 397-407 (1997)
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[Publications] 細田 尚: "地下水路系で生じる過渡水理現象の解析法とその応用に関する研究" 京都大学防災研究所年報. 40・B-2. 425-432 (1997)
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[Publications] 井上和也: "高潮ハザードマップと避難に関する二・三の検討" 海岸工学論文集. 44. 356-360 (1997)