1996 Fiscal Year Annual Research Report
地上における高速固気混相流(火砕流及び雪崩)の流動機構
Project/Area Number |
08458102
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
高橋 保 京都大学, 防災研究所, 教授 (40027230)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
里深 好文 京都大学, 防災研究所, 助手 (20215875)
中川 一 京都大学, 防災研究所, 助教授 (80144393)
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Keywords | 粒状体流れ / 衝突 / 運動量輸送 / 火砕流 / 熱風 / 流動化 / 雪崩 / 造粒 |
Research Abstract |
本研究では火砕流および雪崩を高速固気混相流としてとらえ、統一的な流動機構の解明を行い、実現象のシミュレーションを可能にすることを目的としている。 まず、粒子の非弾性衝突と運動量輸送に起因する動的な応力とマクロな骨格応力からなる構成則を導き、斜面上の粒子体流れの抵抗則を示した。これにより、勾配、底面条件に応じて生じる層状型、層状/分散型および分散型の流れを定量的に説明することに成功した。 この理論に粒子から噴出するガスの効果を導入することによって、雲仙普賢岳で頻繁に発生したメラピ型火砕流の溶岩ドーム崩落から停止に至るまでの、火砕流本体部の流動過程を記述するモデルを構築し、実現象を説明できる数値シミュレーションを行った。さらに、火砕流本体部の上方に生じる熱風部に関して、本体部からの粒子供給に粒子から噴出するガスおよび周辺空気の連行を考慮した二次元流れのモデル化を行った。これにより、熱風部をも含めた火砕流シミュレーションが可能となった。 一方、雪崩に関しては、雪質に応じて、乾雪雪崩と湿雪雪崩の違いが生じるが、その違いが雪粒子の付着性の違いによって生じるとし、火砕流とは逆に粒径が大きくなって行く場合の粒流体流れとして、力学的なモデル化を進めている。また、厳寒期の穂高砂防観測所で実際の雪を用いた流路実験を行い、雪温によって造粒機構に大きい違いがあることを実証した。
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