1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08458103
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
林 春男 京都大学, 防災研究所, 教授 (20164949)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田中 聡 京都大学, 防災研究所, 助手 (90273523)
河田 恵昭 京都大学, 防災研究所, 教授 (10027295)
|
Keywords | ディジタル地図 / 基盤図 / カ-ナビゲーション / リレーショナルデータベース / データベース構築 / データベース更新 / GIS |
Research Abstract |
研究の最終年度にあたる本年度は,宇治市を事例として総合空間管理システムのプロトタイプの構築を行い,開発にあたっての問題点を抽出した.最大の問題点はディジタル基盤図の確保である.精度の高いディジタルマップを完備した自治体は少なく,作成費用も膨大となるため,そこがボトルネックとなって開発を阻むことが多い.それに対する対処策として,大阪府が行ったカ-ナビゲーション用に開発された地図の基盤図としての利用がある.情報の詳細度と入手の容易さを考えると,今後有望な試みであると考える.第2の問題点は,既存の情報システムあるいはその整備方針と全庁的な電子情報化の流れが整合していないことである.空間管理システムの構築には,空地に関するデータベースの構築とその維持管理の必要性が発生する.現状の慣行では,データベースの整備は専門部局の仕事するか,あるいはその部局を通しての外注という形態が普通である.しかし,それでは,作業そのものがコストが高くなること,仕事としてのスピードが低下することなど,システム開発にとって阻害要因となっている.この点に関してはリレーショナルデータベースの考え方をより積極的に導入し,個々の要素に緯度経度情報を持たせたデータベースを整備し,そこと共通のキ-でデータベース間を関連づける体制を整備することで,現在の業務体系を破壊することなしに,職員自身で更新可能な空間管理のためのデータベースの構築が可能になることが明らかになった.最後に残された課題はこうしたデータベースと地理情報システムとをリンクさえるインターフェースの開発である.
|
Research Products
(7 results)
-
[Publications] 林 春男: "パートナーシップによる生活再建" 都市問題研究. 49・1. 86-98 (1997)
-
[Publications] 林春男・重川希志依: "災害エスノグラフィーから災害エスノロジーへ" 地域安全学会論文報告集. 7. 376-379 (1997)
-
[Publications] 重川希志依・林春男: "災害対応従事者から見た災害過程の研究(阪神・淡路大震災)" 地域安全学会論文報告集. 7. 370-375 (1997)
-
[Publications] 福島誠志・林春男・河田恵昭・田中聡・西村明儒: "EDA手法を用いた人的被害の推定法の開発" 地域安全学会論文報告集. 7. 52-55 (1997)
-
[Publications] 河田恵昭: "阪神・淡路大震災の教訓の総合化" 都市問題研究. 1月号. 14-32 (1997)
-
[Publications] 河田恵昭: "総被害額の評価方法と社会ミティゲーションの提案" 第2回阪神・淡路大震災に関する学術講演会論文集. 561-564 (1997)
-
[Publications] 林 春男 他: "阪神・淡路大震災調査報告書 共通編「都市安全システムの機能と体制」" 土木学会他関連5学会(印刷中),