1996 Fiscal Year Annual Research Report
超高感度レーザーセンサを利用した大気微量成分検出法の研究
Project/Area Number |
08458140
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
久世 宏明 千葉大学, 環境リモートセンシング研究センター, 助教授 (00169997)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾松 孝茂 千葉大学, 工学部, 助教授 (30241938)
櫻田 安志 千葉大学, 自然科学研究科, 助手 (70280922)
竹内 延夫 千葉大学, 環境リモートセンシング研究センター, 教授 (60101044)
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Keywords | レーザーセンサ / 大気微量成分 / ファイバーリングレーザー |
Research Abstract |
オゾン層の破壊、酸性雨など地球大気の関わる環境問題において、大気微量成分の高感度検出はその重要性を増している。本研究は、近年の進展が著しいレーザーの特質を最大限に活用し、実験室内のプロトタイプの基礎研究を通じて、1気圧から10^<-3>気圧の条件下におけるpptオーダーの微量成分気体の検出法を確立することを目的としている。2年の研究期間の初年度である本年においては、次のような成果が得られた。 1.レーザーダイオードコントローラを購入し、波長1.53μmの分布帰還形半導体レーザーをこれで制御することによって、レーザーの波長掃引特性の評価を行った。 2.空間伝播光の実験においては、必要な窓を備えた真空装置およびガス配管系を作製し、1.5μm帯に吸収を有する気体としてアセチレンを用いて吸収の検出実験を行った。電流変調による高感度吸収分光を行い、次年度に予定している高反射率ファブリー・ペロ-共振器を用いた超高感度検出実験の基礎データが得られた。すでに準備した高反射率の鏡を用いた予備実験では、レーザーの発振線幅と共振器の共振線幅の間に要求される関係について、信号対雑音比の観点から有用な情報が得られた。 3.多モード光源法の一環として、全ファイバ型のリングレーザー共振器による微量気体検出の実験を行った。光源としてはエルビウム・ドープ型のファイバ増幅器を利用し、干渉フィルタで波長帯域の狭窄化を図った。ファイバを直接接続できる気体セルを新たに考案・製作し、上記と同じくアセチレンを例として高感度検出の実証実験を行った。リング中に残存する結合損失のため最適条件はまだ達成されていないが、励起パワーを変化させることによって適当な圧力領域における微小な圧力変化のセンサとして優れた機能を有することが示された。
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