1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08458149
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Research Institution | University of Tokyo |
Principal Investigator |
鈴木 紀夫 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (10010050)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 一夫 東京大学, 大学院・医学系研究科, 講師 (40153837)
平野 和也 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (80251221)
伊藤 正光 東京大学, 大学院・医学系研究科, 助手 (80176362)
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Keywords | DNA依存性プロテインキナーゼ(DNA-PK) / 抗DNA-PK抗体 / 細胞死 / 放射線感受性 / ハイパーサーミア / 放射線増感効果 |
Research Abstract |
哺乳動物培養細胞を用いて、DNA依存性プロテインキナーゼ(DNA-PK)の照射後の活性の経時的変化、細胞種による活性のちがい、および放射線致死効果の修飾と活性の関係を検討することにより、細胞の放射線応答機構におけるDNA-PKの役割を明らかにすることを目的とした。 1.MOLT-4細胞においてX線10Gy照射後のDNA-PK活性を経時的に解析したところ、照射1時間までは活性に変化はなかったが、2時間以降活性の低下が認められた。昨年度に得られた抗体を用いて、照射後のMOLT-4細胞におけるp470サブユニットの変化をウェスタン法で解析すると、照射6時間目以降、断片化が顕著に認められた。時間的な前後関係の詳細な解析は今後の検討課題であるが、細胞死の過程の進行とともに、p470の切断と活性低下の起こることが示された。 2.DNA-PKがDNAと結合することを利用して、DNAセルロースにより細胞粗抽出液からDNA-PKを回収し、より迅速・定量的に活性を測定する方法(Pull-down法)を確立した。Pull-down法を用いて、9種類の培養細胞(非照射)のDNA-PK活性を解析した。ヒト由来細胞(5種)では、げっ歯類由来細胞(4種)よりもDNA-PK活性が高い傾向が見られた。 3.9種類の培養細胞に種々の時間の温熱(44℃)処理を施した後に細胞粗抽出液を調整し、DNA-PK活性を測定した。ヒト由来細胞(5種)では3時間処理まで顕著な活性の低下は見られなかったが、げっ歯類細胞(4種)では1時間以内に活性が低下した。また、コロニー形成能を指標とした放射線致死効果の増感は、げっ歯類細胞で大きい傾向が見られた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Matsumoto,Y. et al.: "A Possible mechanism for hyperthermic radiosensitization mediated through hyperthermic lability of Ku subunits in DNA-dependent protein kinase." Biochemical and Biophysical Research Communications. 234. 568-572 (1997)
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[Publications] Sakai,K. et al.: "Effects of an inhibitor of protein kinases on the response to heat treatment in cultured mammalian cells." Int.J.Hyperthermia. 13. 535-545 (1997)