1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08458168
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | National Institute for Environmental Studies |
Principal Investigator |
椿 宜高 国立環境研究所, 地球環境研究グループ, 総合研究官 (30108641)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
冨山 清升 茨城大学, 理学部, 助手 (30272107)
山根 明弘 国立環境研究所, 地球環境研究グループ, 科学技術庁特別研究員
永田 尚志 国立環境研究所, 地球環境研究グループ, 主任研究員 (00202226)
高村 健二 国立環境研究所, 地球環境研究グループ, 主任研究員 (40163315)
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Keywords | 生存力 / 寄生虫 / 免疫 / 左右対称性のゆらぎ / 遺伝的変異 / ヘテロ接合度 / 地域個体群 / 野生生物 |
Research Abstract |
ヒガシカワトンボの雄にはオレンジ翅と透明翅の2つのタイプが存在する。マ-キングと観察に基づいて寿命を比較した結果、透明雄の方が少なくとも20%程度は長生きであること、繁殖可能期間はオレンジ雄で平均約5日、透明雄では約11日であることがわかった。その理由として、時間あたり繁殖努力量の多いオレンジ雄はなわばり争い、交尾、産卵雌のガードなどに透明雄よりもエネルギーを使うために寿命を縮めている可能性がある。ヒガシカワトンボの腸内寄生虫に着目し、色彩多型と保有寄生虫数および生存率との関係、繁殖努力量と寄生抵抗性の関係などについて検討した。 岐阜県下のウスバシロチョウの地域個体群(22地点)についてGPI(糖の分解に関与する酵素)をはじめとするいくつかの酵素多型、FA(左右対称性のゆらぎ)、雄の交尾成功度および集団サイズの関連性を調べた。現在のところ、GPI(Glucose Phosphate Isomerase)について、形質との関連性の検討が進んでいる。その結果、ヘテロ結合度は集団ごとにかなりの違いがあることがわかった。ヘテロ個体とFAの関係は個々の集団内では有意な関連性は見られなかったが、集団間で比較するとヘテロ個体の多い集団は平均FAが小さいという結果となった。また、ヘテロ個体は交尾頻度が高いこと、FAの小さい個体は交尾頻度が高いことも集団間比較から示唆された。 イリオモテヤマネコのマイクロサテライトDNA領域の変異性を検討した。変異がほとんどなく、変異が小さいことで知られているチ-タよりもさらにホモ化が進んでいることがわかった。
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Research Products
(8 results)
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[Publications] 椿宜高: "生物多様性の研究動向-とくに種の絶滅に関して" 資源環境対策. 32. 1520-1524 (1996)
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[Publications] Siva-Jothy M.T.: "Decreased immunocopetence as a proximate cost of reproduction in a damselfly." Proc.R.Soc.Lond.B.(in press). (1997)
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[Publications] K.TAKAMURA: "Life cycle of the damselfly Calopteryx atrata in relatin to pesticide contamination." Ecotoxicology. 5. 1-8 (1996)
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[Publications] K.TAKAMURA: "Changes in sex ratio of chironomid imagines from rice field waters" Arch.Hydrobiol.135. 413-421 (1996)
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[Publications] Sodhi,N.S.: "Absence of blood parasites in the Japanese reed bunting Emberiza yessoensis." Jpn J Omithol. 45. 115-117 (1996)
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[Publications] Tomiyama,K.: "Mate-choice criteria in a protandrous simultaneously hermaphroditic land snail Achatinafulica (Ferussac)(Stylommatophora : Achatinidae)." Journal of Molluscan Studies. 62. 101-111 (1996)
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[Publications] Yamane,A.: "Mating behaviors,courtship rank and mating success of male feral cat (Felis catus)." J.Ethol.14. 35-44 (1996)
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[Publications] Yamane,A.: "Factors affecting feeding order and social tolerance to kittens in the group-living feral cat (Felis catus)." Appl.Anim.Behav.Sci.(in press). (1997)