1998 Fiscal Year Annual Research Report
高等植物での含硫黄代謝産物生合成の分子生物学的基盤の解明と分子エンジニアリング
Project/Area Number |
08458170
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Research Institution | CHIBA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
斉藤 和季 千葉大学, 薬学部, 教授 (00146705)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
野路 征昭 千葉大学, 薬学部, 助手 (80271534)
山崎 真巳 千葉大学, 薬学部, 講師 (70222370)
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Keywords | アリイン / システイン / 硫黄同化 / ニラ / ネギ属 |
Research Abstract |
【目的】 硫黄同化系において、セリンアセチル転移酵素(SATase)は、セリン生合成系からシステイン生合成系への重要な中間体であるO-アセチルセリンを生成する。システイン合成酵素(CSase)は、システイン生合成系の最終段階でO-アセチルセリンからシステインを合成する。ネギ属植物は、アリインに代表されるS-置換システインスルホキサイドを豊富に含有し、その生合成はシステインに由来する。本研究では、ニラ(Allium tuberosum)における硫黄同化系を明らかにすることを目的として、SATase,CSaseをコードするcDNAを単離し解析を行った。 【方法・結果】 ニラ発芽体cDNAライブラリー10万クローンに対して、スイカSATase cDNA及び、スイカCSase cDNAをプローブとしてスクリーニングを行った。その結果、SATaseをコードするcDNAクローン(ASAT5)、CSaseをコードするcDNAクローン(ACS2)を得た。これらの塩基配列を決定したところ、ASAT5は全長約1.0kbであり867bpのORF領域が同定でき、またACS2は全長約1.3kbであり975bpのORF領域を持っていた。予想されるアミノ酸配列より、ASAT5はスイカ等の既知のSATase、ACS2はトウモロコシ等の既知のCSaseに対して高い相同性を示した。また、ACS2について大腸菌発現ベクターを構築し、システイン要求性大腸菌NK3に導入したところ、システイン要求性を相補した。さらに大腸菌で発現させたACS2はCSase活性をもち、ホウレンソウCSaseの抗体を用いたウェスタンブロット分析により検出されることから、機能的にCSase cDNAであることが確認された。
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Research Products
(1 results)