1996 Fiscal Year Annual Research Report
梯子状ポリエーテル化合物と膜蛋白質の相互作用の解明
Project/Area Number |
08458171
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
村田 道雄 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (40183652)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 誠 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (80235267)
橘 和夫 東京大学, 大学院・理学系研究科, 教授 (70142081)
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Keywords | マイトトキシン / ポリエーテル化合物 / ガングリオシド / 赤血球膜 |
Research Abstract |
梯子状のポリエーテル天然物は、非常に強い活性を持つものが多く、膜タンパク質との相互作用の点からも注目されている。本基盤研究では、これらポリエーテル天然物の中から特にマイトトキシン、ブレベトキシン、シガトキシンに焦点をあて、それらの構造活性相関(レセプター結合活性)について精査した。 まず、ブレベトシンの放射標識体を調製し、ブレベトシンの結合に関して物理化学的考察を行った。その結果、ブレベトキシンの強い生理活性の要因としては、その疎水性による細胞膜への移行が重要であり、結合活性を数百倍増強していることが明らかとなった。次に、ブレベトキシンが示すマイトトキシン作用に対する阻害作用を、グリオーマ細胞系、赤血球膜系において放射標識カルシウム法および蛍光色素法を用いて解析した。その結果は、ブレベトキシンの阻害活性が、本来の薬理効果である電位依存性ナトリウムチャネル、およびイオノフォア活性による脱分極によるのではなく、マイトトキシン作用点への結合によることが示唆された。また、放射標識体を用いてマイトトキシンがいったん細胞膜の結合すると容易には洗い流されないことを示し、膜タンパクの膜貫通部位との相互作用が活性発現に重要であることを示した。 現在、最も強力なナトリウムチャネル結合活性を示すシガトキシンに関して、その中央から右側部分のモデル化合物の合成を進めており、本基盤研究の期限内にはナトリウムチャネル結合に必要なポリエーテル構造の要件を解明することができる予定である。
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