1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08458204
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
豊島 陽子 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助教授 (40158043)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
枝松 正樹 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 助手 (60251328)
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Keywords | モータータンパク質 / キネシン / 微小管 / ミオシン / 回転自由度 |
Research Abstract |
キネシンは微小管上を滑走するモータータンパク質で、モータードメインを有する頭部と、細胞内小胞などに結合する棒状の尾部なる。頭部と尾部をつなぐ領域(頚部)は柔軟性に富み、微小管と結合したまま360度以上回転することが観察されている。この頚部の柔軟性が、運動の力発生にどのような役割を果たしているかを明らかにするために、本研究では、頚部の長さの異なるキネシン頭部のフラグメントを作製し、それらの分子の回転自由度を測定した。 キネシン分子をガラスに固定するために、以前に開発したビオチン・アビジン系を用いたが、この系の内部に回転自由度がないことをコントロール実験で確かめた。次に、nativeのキネシン分子(全長)の回転自由度を調べたところ、3回転以上した。棒状部分の長さがnativeの分子の1/8程度に短くなったアミノ酸数410フラグメントでも、2回転以上した。さらに、アミノ酸数を減らしたフラグメントについて測定したところ、386では2.4回転、368では2.1回転、351では1.2回転、340では1.7回転することが観察された。棒状部分の長さが短くなるにつれ、最大回転数は少なくなる傾向があるが、340アミノ酸のフラグメントはほとんど球状のモータードメインと考えられているおり、1回転以上できるのは、微小管との結合の方向性から考えると充分回転できる結果といえる。 以前に340のフラグメントが410アミノ酸のフラグメントの約1/10の速さで運動するということを報告したが、以上の結果より、それはキネシン分子のの回転自由度が失われたためではないと考えられる。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Imafuku,Y.,Toyoshima,Y.& Tawada,K.: "A Monte Carlo study for a fluctuation analysis in the in vitro motility by protein motors." Biophys.Chem.59. 139-153 (1996)
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[Publications] Imafuku,Y.,Toyoshima,Y.& Tawada,K.: "Fluctuation in the microtubule sliding movement drinven by kinesin in vitro." Biophys.J.70. 878-886 (1996)
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[Publications] Tokai,N.,Fujimoto-Nishiyama,A.,Toyoshima,Y.Y.: "Kid,a novel kinesin-like DNA binding protein,is licalized to chromosomes and the mitotic spindle." The EMBO J.15. 457-467 (1996)
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[Publications] Edamatsu,M.,& Toyoshima,Y.Y.: "Isolation and characterization of pos mutants defective in correct positioning of septum in Schizosaccharomyces pombe." Zool.Sci.13. 235-239 (1996)