1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08458205
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
郷 通子 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70037290)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
由良 敬 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50252226)
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Keywords | モジュール / イントロン / エクソン / イントロンの起源 / エクソンのかき混ぜ / 力学的安定性 / 分子動力学 |
Research Abstract |
エキソンの混成が新規タンパク質を生み出すためには、エキソンがコードするタンパク質セグメントが、機能や構造の単位に対応していることが必要である。モジュールはタンパク質の構造部品として立体構造情報から定義される。立体構造が既知のタンパク質をモジュールに分解し、モジュールは機能の単位でもあるのか、機能を持つために要求される構造の安定性をもつか、さらにモジュール境界と遺伝子上のイントロンの位置との対応を調べた。研究成果は、(1)モジュール同定法の完全な自動化、(2)単独モジュールの力学的安定性、(3)モジュール境界とイントロンの相関を統計的に検定する方法の開発、(4)プラスチドの転写産物IRF170がコードするタンパク質がホメオドメインとの類似性をもつことを示して、イントロンとモジュールの関係の有無を調べ、(5)転写因子のモジュール構成を明らかにした。各項の内容は以下の通りである。(1)これまでの方法では困難であった、タンパク質の両末端モジュール同定法を開発した(2)真空中と水中における、バルナーゼのモジュールの分子動力学計算により、ほとんどのモジュールが単独でも力学的安定性を持つことがわかった。(3)2項分布により、イントロンとモジュールとの相関を検定できることが分かった。(4)IRF170がプラスチドの分化を制御していることが示唆され、IRF170の一個のイントロンは、挿入配列の位置とよく対応しているものの、モジュール境界とは一致していなかった。(5)転写因子は塩基認識モジュールとリン酸基結合モジュールとの組み合わせであること、原核生物由来の2種類の転写因子と真核生物由来のDNAポリメラーゼβとの間に、共通のリン酸基結合モジュールが見つかった。これはモジュールのかき混ぜの痕跡であることが示唆された。DNAポリメラーゼβ遺伝子のイントロンはモジュールとよく対応していた。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Yura,K: "The homeodomain-like putative product of plastid genome : A possile role in plastid differentiation" Res.Commu.Biochem.Cell & Nol.Biol.(in press).
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[Publications] Takahashi,K: "Mechanical stability of compact modules of barnase." FEBS Lett.(in press).