1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08458205
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Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
郷 通子 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 教授 (70037290)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
由良 敬 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助手 (50252226)
野口 俊之 名古屋大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (90172775)
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Keywords | モジュール / イントロン / エクソン / イントロンの起源 / 赤池情報理論 |
Research Abstract |
本研究の目的は、立体構造既知のタンパク質のすべてをモジュールに分解し、モジュール境界と遺伝子上のイントロンの位置との対応を統計的に調べ、これによって、モジュール境界とイントロンの対応がタンパク質に普遍的に成り立つ事実であることを明らかにすることである。今年度は主として3つの成果が得られた。第1にモジュール同定法の開発と改良を行い、全自動同定法の第1版が完成した。イントロンの中には、エンドヌクレアーゼをもったグループIイントロンのように、DNAに挿入できるものもあり、モジュールとイントロン位置との対応の普遍性を調べるためには、まずモジュールの正確な同定法の開発が必須であった。開発した方法を使うと、以前よりも高精度でモジュールを同定できる。第2に、タンパク質毎にモジュールとエクソンの対応を統計的検定により調べた。すでに、解糖系酵素ではモジュールとイントロンが有意に相関していることを示したが、イントロンの位置が多数わかっていれば、タンパク質単独でも統計検定が可能である。モジュールとイントロンの相関をタンパク質毎に解析した結果、両者は有意に対応していることが、数種のタンパク質において明らかになった。さらに、AIC(赤池情報理論)を導入したところ、モジュールとイントロンとの相関モデルは、イントロンのランダム挿入モデルよりも、適切なモデルであるという評価が得られた。第3に、イントロンの起源は原核生物の時代にまでさかのぼれることが、初めてわかった。これらの結果から、イントロンはエクソンすなわちモジュールの連結や混成を仲介したデバイスであったことが強く示唆された。
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[Publications] Yura,K: "The homeodomain-like putative product of plastid genome:A possile role in plastid differentiation." J.Res.Commu.Biochem.Cell&Mol.Biol.1・1. 79-81 (1997)
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[Publications] Shirai,T: "Adaptive amino replacements accompanied by domain fusion in reverse transcriptase." J.Mol.Evol.44・Suppl.1. S155-S162 (1997)
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[Publications] 郷通子: "ニューバイオフィジックス(2)遺伝子の構造生物学(分担執筆)" 共立出版, 196 (1998)