1997 Fiscal Year Annual Research Report
細胞膜ドメイン・カベオラ構造体の形態形成と機能発現メカニズムの研究
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08458211
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Research Institution | National Institute for Physiological Sciences |
Principal Investigator |
村田 昌之 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助教授 (50212254)
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Keywords | カベオリン / 膜ドメイン構造 / セミインタクト細胞 / カベオラ / 蛋白質-脂質相互作用 / エキソサイトーシス |
Research Abstract |
カベオラとは、多くのタイプの細胞形質膜上に見られる、非クラスリン被覆タイプの細胞膜ドメインである。そこには、カベオラの構成タンパク質であるカベオリン、非受容体型Src-family kinase、ヘテロ三量体Gタンパク質、IP3受容体など細胞内情報伝達に関わる分子や、コレステロール・スフィンゴ糖脂質という特殊な脂質も濃縮され、エンドサイトーシス、エキソサイトーシス、ポトサイトーシスなど、形質膜及び細胞内オルガネラの物質輸送・透過・信号伝達に関わっているとされている。本研究では、カベオラを上記の情報伝達機能素子を特異的に「トラップ」し「場」を与える「細胞膜デバイス」と考え、カベオリンのコレステロール結合能と、それを制御する細胞質因子の探索を、再構成法を中心に行った。その結果、コレステロールとともにカベオリン分子に結合する未知の脂質分子をTLC上に検出し、現在解析中である。また、細胞内でのカベオラドメインの機能を明らかにするため、カベオリン再構成膜をSLO処理したセミインタクトMDCK細胞に導入したところ、ゴルジ体と思われるperinuclear領域に、細胞質・ATP非依存的に結合することがわかった。このことは、カベオリン-コレステロール複合体を認識する何らかの因子がゴルジ体に存在することを意味し、今後はこの因子の探索のアッセイ法として再構成法を利用できることが明らかとなった。
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[Publications] T.Kanaseki,: "Structural Features of Membrane Fusion between Influenza Virus and Liposome as Revealed by Quick-Freezing Electron Microscopy," The Journal of Cell Biology. 137. 1041-1056 (1997)
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[Publications] S.Kagiwada: "The Saccharomyces cerevisiae SCS2 Gene Product,a Homolog of a Synaptobrevin-Associated Protein,Is an Integral Membrane Protein of the Endoplasmic Reticulum and Is required for Inositol Metabolism" The Journal of Bacteriology ;. 180 (in press). (1998)