1998 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08458232
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Research Institution | Kyoto Pharmaceutical University |
Principal Investigator |
金 在萬 京都薬科大学, 薬学部, 教授 (30029805)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
平山 恵津子 京都薬科大学, 薬学部, 助手 (10247786)
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Keywords | 骨格筋 / 筋分化 / 筋管形成 / 筋芽細胞 / 細胞融合 / 細胞膜 / HVJ / 人工筋管 |
Research Abstract |
筋管形成及び成熟機構を解析する一環として、細胞融合能を有するHVJ(センダイウイルス)を用い、未分化QM-RSV細胞(ラウス肉腫ウイルスの温度感受性変異株で形質転換したウズラ胚筋芽細胞)を人為的に融合させ、強制的に分化プログラムを無視した人工筋管を作製する方法を既に確立している。この人工筋管は分化プログラムに従って形成された自然発生筋管とは性状が異なり、特に筋原線維の形成に異常が見られる。分化プログラムと筋原線維形成との関係を更に調べるため、マウス株化筋芽細胞C2細胞をHVJで融合させ人工筋管の作製を試みたところ、未分化C2細胞では細胞融合が全く見られなかった。これは、極めて稀なユニークな現象である。今年度は、筋分化における細胞膜の流動性に着目しこの現象を解析した。 未分化C2細胞にHVJを作用させると、細胞膜にウイルス粒子が吸着するにも拘わらず、細胞融合は全く見られなかった。通常の細胞融合に用いる10倍以上のHVJ(細胞1個当たり10,000個以上)を作用させても融合細胞は見られず、未分化C2細胞はHVJによる細胞融合に極めて強い抵抗性を示す膜特性を有することが示された。ところで、C2細胞を分化誘導すると72時間までに筋管形成が見られるが、分化誘導しながらC2細胞を経時的にHVJ処理したところ、分化誘導48時間でHVJによる融合細胞が出現した。即ち、分化誘導によりC2細胞はHVJによる細胞融合に感受性になることが示された。このことを更に確かめるため、C2細胞とエールリッヒ腹水癌細胞とのHVJによる雑種細胞の形成率を調べたところ、C2細胞の分化誘導に伴い上昇し、C2細胞が分化反応の進行と共に細胞膜特性を“融合しやすく"変化させることが確かめられた。 QM-RSV細胞においても分化誘導によりHVJによる融合感受性が高まることが再認され、筋芽細胞が分化反応の進行と共にその膜特性を融合しやすく変化させるという一般性の可能性が示された。
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Research Products
(1 results)