1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08458236
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Research Institution | NATIONAL INSTITUTE FOR BASIC BIOLOGY (NIBB) |
Principal Investigator |
上野 直人 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 教授 (40221105)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中村 真 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助手 (30212103)
澁谷 浩司 岡崎国立共同研究機構, 基礎生物学研究所, 助教授 (30261324)
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Keywords | 神経誘導 / 細胞増殖因子 / BMP / TGF-βファミリー / フォリスタチン / 細胞内情報伝達 |
Research Abstract |
脊椎動物の神経誘導は主に両生類を用いて研究されており、ここシュペ-マンの研究によってにツメガエルやサンショウウオなどの両生類の最も背側に位置する形成体(オ-ガナイザー)領域が神経形成に必須であることなどが数十年前に示されている。このオ-ガナイザー形成にはアクチビン、Vg1などのTGF-βファミリーに属する細胞増殖因子が重要で、オ-ガナイザーでの神経誘導因子の産生を促しているものと考えられていたが、その後、我々を含めた数グループは神経形成はオ-ガナイザーからのシグナルによって積極的に神経に誘導されるのではなく、腹側領域からの神経抑制シグナル(やはりTGF-βファミリーに属するBMP)が結合タンパク質によってその活性を阻害されることによるものであるという説を提唱した。我々は神経抑制因子としてのBMPの役割に注目し、細胞外と細胞内におけるその活性制御メカニズムについて解析した。まずBMPは細胞外において結合タンパク質によって負の制御を受けている。それらはオ-ガナイザー因子と呼ばれておりchordin,noggin,follistatinを含む。それらのうちchordin,nogginはBMPの結合タンパク質であり、BMP活性を阻害して神経誘導作用をもっている。しかしながら、follistatinはアクチビン結合タンパク質として知られていたことからその作用メカニズムについては不明であった。今回、我々はfollistatinはBMPの結合タンパク質であることをタンパク質間相互作用を検出することによって証明し、follistatinは過剰発現によってBMP活性を阻害しうることを明らかにした。また、BMPの神経形成阻害作用にはSmadなどの細胞内因子が関わっていることが知られているが、Smadに加えてTAK1と呼ばれる新規MAPKKKが必須であり、同シグナル経路を遮断することで神経誘導が起こることを明らかにした。
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[Publications] Nikaido,M.et al.: "Conservation of BMP signaling in zebrafish mesoderm patterning." Mechanism of Development. 61(1). 75-88 (1997)
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[Publications] Shibuya,H.et al.: "Role of TAK1 and TAB1 in BMP signaling in early Xenopus development." EMBO Jouuranal. 17(4). 1019-1028 (1998)