1996 Fiscal Year Annual Research Report
中枢神経系アンジオテンシンIIの役割:アンジオテンシンlaレセプターノックアウトマウスを用いて
Project/Area Number |
08458258
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
照井 直人 筑波大学, 基礎医学系, 助教授 (40111372)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山本 三幸 筑波大学, 基礎医学系, 講師 (80143147)
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Keywords | アンジオテンシン / アンジオテンシンII・la / マウス / 体温 / 心拍数 |
Research Abstract |
末梢のレニン-アンジオテンシン系とは独立して中枢神経系内にはアンジオテンシンが存在し、伝達物質あるいはニューロモジュレータとして機能していることが確認されてきた。しかしながら、脳内アンジオテンシンが関与する生理反応あるいは機能は、非常に多岐に渡っており、その真の役割は未だ確立していない。当初末梢のレニン-アンジオテンシン系同様血圧調節に果す役割が多く研究されてきたが、その後、血圧調節のみならず、体液量、浸透圧の恒常性調節、性ホルモン、性行動との関係、あるいは記憶や痛覚にも関係していることが予想されている。 本研究の目的は、中枢内アンジオテンシンIIの役割をアンジオテンシンII・laレセプター(ATla)ノックアウトマウスを用いて明らかにすることにある。 本年度は行動学的な異常の有無について、wildtype とともに、腹腔内にテレメトリー装着し体温心拍数を測定しながら観察することを主眼に置いて研究した。その結果 1)当初予想された体温の異常は観察されなかった。 2)行動、体温の日内変化-12時間明12時間暗の条件で飼育した場合、消灯前後と点灯前後に行動量、体温が増加するという変動-はwild typeとに差がなかった。 3)ノックアウトマウスのほうが、攻撃的な行動を示す。定量的な測定は今後の問題である。 4)安静時心拍数に差がなかった。運動時、ストレスを加えたときのなどにみられる最高心拍数の値にも差がなかった。 5)例数がまだ少ないが、拘束ストレスを加えると、wildtypeは心拍数が上昇し約700bpmのまま30分以上持続するが、ノックアウトマウスは心拍数が上昇し約700bpmになった時点で突然死に至った。 以上の観察結果が得られたが、まだ定量化にいたってない。今後、例数を増やし、定量化を行なうとともに突然死が起こる原因について、加齢との関係等を調べる予定である。 さらに、循環調節機構に以上がある可能性について、交感神経の神経活動を記録出来るようになったので動脈圧受容器反射を定量的に解析することを試みている。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Yamamoto,M.,Drager.U.z Mocaffry.P: "Influence of the choroid plexus on ceubellen development:Analysis of refinoicacid synthesis" Developmental Brain Research. 93. 182-190 (1996)
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[Publications] Uesugi,Met al.: "Endogenous endothelin-linitiates astroqtir growth after" Brain Resewceh. 728. 255-259 (1996)
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[Publications] Mccaffery et al: "Cerebellar development regulated by retinoic acid" Amertcal Society for Neuroscience. 26(in press). (1996)
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[Publications] Crandall et al.: "Retina Acid administration to early pastnat al pastnatal mice causes" American Society for Neuro science. 26(in pres). (1996)
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[Publications] Ootsuka,Y.et al.: "Topographycal Organization of Carohbviisculai neuhns of the rcstral Venpo lateral medulla in rabbits" Jpn,J.Physiol. 46. S56 (1996)
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[Publications] Ootsuka,Y.et al.: "Sympathg-excitatony neurons of the roshal venpe lateral maiucia of roffits are organived fopographycally" Alshoct society fn Neuro Science. 22. 953 (1996)