1996 Fiscal Year Annual Research Report
GABAの神経発生・可塑性における役割のGAD遺伝子ノックアウトマウスによる研究
Project/Area Number |
08458263
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Okazaki National Research Institutes |
Principal Investigator |
小幡 邦彦 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 教授 (60013976)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
児島 伸彦 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (80215251)
丸山 敬 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助教授 (30211577)
淺田 英穂 岡崎国立共同研究機構, 生理学研究所, 助手 (10184144)
|
Keywords | グルタミン酸脱炭酸酵素 / γ・アミノ酪酸 / ノックアウトマウス / 口蓋裂 |
Research Abstract |
γ・アミノ酪酸(GABA)は哺乳類中枢神経系における抑制性神経伝達物質であるが、近年、それ以外に神経系の発生や可塑性への関与が示唆されている。GABAをグルタミン酸から合成するグルタミン酸脱炭酸酵素(GAD)には分子量65及び67キロダルトンのGAD65及び67があるが、各々の役割は未だ明らかにされていない。本研究の目的はこれらの問題を解明するため、GAD65及び67遺伝子のノックアウトマウスを作成して解析することである。マウスES細胞TT2に各GAD遺伝子の相同組み替えを起こさせ、8細胞胚に注入してキメラマウスを得た後、交配によりGAD変異マウスを作成した。GAD65変異マウスは重大な傷害もなく生育し、脳内のGABA含量、GAD67蛋白良、総GAD活性は正常であった。一般行動や水迷路学習は正常であるが、ピクロトキシン及びペンチレンテトラゾールによるけいれんが起こりやすかった。、GAD67ノックアウトマウスは誕生後半日ですべて死亡した。原因は重度の口蓋裂による。誕生当日の大脳皮質の分析では、GABAは7%、GAD活性は20%に減少しており、脳機能の傷害が予想される。従来の研究からGAD65が重要と予想されたが、本研究で、1)脳内GABA合成にはGAD67が主に関与すること、2)非神経組織の発生にもGABAGABAが関与することがわかった。次年度は、1)GAD65及び67をダブルノックアウトした場合の神経発生異常、2)口蓋裂を防止したGAD67ノックアウトマウスの作成とその脳機能、3)口蓋裂の発生機序、4)GAD65ノックアウトマウスにおけるけいれん発生の機序を研究する。
|
Research Products
(2 results)
-
[Publications] Hideo Asada et al.: "Mice lacking the 65 kDa isoform of glutamic acid decarcbxylase (GAD65) main tain normal levels of GAD67 and GABA in their brains but susceptible to seizures" Biochem.Biophysical Res.Communications. 229,3. 891-895 (1996)
-
[Publications] Kunihiko Obata: "Excitatory and trophic action of GABA and related substances in newborn mice and organotypic cerebellar culture" Developmental Neuroscience. 19,1. 117-119 (1997)