1996 Fiscal Year Annual Research Report
新しく開発された大発作易発症ラットNERの特性評価と遺伝学的病因解析研究
Project/Area Number |
08458275
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
芹川 忠夫 京都大学, 医学研究科, 教授 (30025655)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北田 一博 京都大学, 医学研究科, 助手 (70263093)
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Keywords | ラット / てんかん / 疾患モデル / ミュータント / けいれん / 遺伝解析 / 脳波 / 行動解析 |
Research Abstract |
1.NERの特性評価 Crj : Wistar rat stockに見いだされたてんかん様発作を起こす雌雄のラットを起源にして、兄妹交配による継代を続けて一つの近交系NERを樹立した。F9世代後、94〜98%のNERは自発性に強直間代けいれんを起こした。たいていの発作は2〜4カ月齢に始まり、ビデオと脳波の同時記録検査では12時間あたり0.45±0.21回の発作頻度を示した。発作時の大脳皮質と海馬の脳波は、高電位のスパイクとそれに続くスパイクウエーブあるいはポリスパイク複合波によって特徴づけられた。NERは、けいれん誘発効果のあるペンチレンテトラゾール、ほうり上げ、そして角膜電気刺激に大して発作感受性を示したが、接触、光、音、および耳殻電気刺激に対しては有為な発作感受性を示さなかった。中枢神経系およびその他の臓器における病理学的検査において、著変は見いだされなかった。 2.NERの遺伝解析 NERと正常対照系ラットSDとの間で性逆交配を含めた交配実験を行った。その結果、F1世代仔では46匹のうちいずれもこの発作を発症するものはなかった。F2世代仔では調べた51匹のうち13匹(25.5%)、もどし交雑仔では88匹のうち56匹(63.6%)で自発性の強直間代けいれんを起こした。NER系統およびこの交配実験において発作個体数に性差は、認められなかった。以上の結果、このてんかん発作の発症は、1つの主要な常染色体劣性遺伝子とマイナ-な効果をもつ複数の遺伝子によってコントロールされていると推察された。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] Toyota,M.et.al.: "A rat genetic map constructed by representational difference analysus markers with suitability for large-scale typing." Pric.Natl.Acad.Sci.USA. 93. 3914-3919 (1996)
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[Publications] Kondo,Y.et.al.: "Genetic profile of three inbred strains derived from wild rats (Rattuw norbegicus) trapped in Japan." Exp.Anim.45. 405-409 (1996)
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[Publications] Momiyama,T.et.al.: "Long-term antiepileptic effcts of chronic intake of CNK-602A, a thyrotriopon-releasing hormone analogue,on spontaneously epileptic rats." Epilepsia. 37. 328-331 (1996)
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[Publications] Amano,S.et.al.: "Development of a novel rat mutant with spontaneouisly limbic-like seizures." Am.J.Pathol.149. 329-336 (1996)