新世界ザルのリンパ球表面抗原に対するモノクローナル抗体の作製とその抗原の機能分析

1998 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 08458277
• Research Institution: Central Institute for Experimental Animals
• Principal Investigator: 伊藤 守 (財)実験動物中央研究所, 免疫研, 室長 (00176364)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 鈴木 修三 (財)実験動物中央研究所, 霊長類研, 室長 (80113439) ; 谷岡 功邦 (財)実験動物中央研究所, 霊長類研, 室長 (10072406)
• Keywords: 免疫 / 新世界ザル / リンパ球抗原 / モノクローナル抗体

Research Abstract

最終年度にあたって、現在までに作製したコモンマーモセット(C.jacchus)のリンパ球表面抗原に対するモノクローナル抗体の最終的に認識する細胞群の確定を行った。マーモセットに対する抗体は5種類(6F10,5A1,7A4,10D7および6C9)で、6F10はT細胞亜群を認識し、B細胞は認識しない。5A1はT,B双方を認識するが、T細胞に関しては2/3のみを認識する。7A4はB細胞の一部(2/3)と反応し、T細胞とは反応しない。10D7はT,B双方と反応するが、T細胞には一部反応しないものもある(1/7)。6C9はリンパ球のほぼ全てと反応する。これら抗体の認識抗原をウェスタンブロットで検索した。いずれの抗原も可溶化が難しくかつ糖鎖を認識していると考えられることから、確定的な結果が得られていない。現在これら実験から得られている知見では5A1は210Kd以上を、7A4は約210Kdを、6C9は約130Kdを、10D7は210Kdと45Kdをそれぞれ認識していると考えられる。マーモセット末梢単核球をソースとしたcDNA library(ZapII)を作製し、これら抗体によるスクリーニングを行ってがいるが、現在のところ十分な結果が得られていない。リスザル(S.sdureus)に対しては当初得られた6クローンはmycoplasmaの汚染によるものかは不明瞭であるが、増殖が停止し、残念ながら最終的なクローンとして確立するに至らなかった。