1997 Fiscal Year Annual Research Report
反応観察と脳磁界計測に基づく生体の知的視覚活動の解析
Project/Area Number |
08458280
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Research Institution | HOKKAIDO UNIVERSITY |
Principal Investigator |
栗城 真也 北海道大学, 電子科学研究所, 教授 (30002108)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
竹内 文也 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (30281835)
平田 恵啓 北海道大学, 電子科学研究所, 助手 (30250509)
小林 哲生 北海道大学, 電子科学研究所, 助教授 (40175336)
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Keywords | 脳磁界計測 / 反応時間 / かな文字 / 照合課題 / 音韻的処理 / 単語 |
Research Abstract |
本年度は単語の認知プロセスに関連した脳活動を調べるために,単語や文字,シンボルを用いて刺激パラダイムを作成し,反応時間の計測と,脳磁界の計測および解析を行った。 刺激パラダイムは,ひらがな三文字からなる単語を用いたカテゴリ照合課題と,ひらがな文字を用いた音韻照合課題,シンボルを用いた形態照合課題の3種類ある。いずれも,プローブ刺激と,それに先立つ2個のサンプル刺激を照合する課題である。単語照合におけるサンプル単語はカテゴリを示し,被験者はプローブ単語がどちらのカテゴリに含まれるかで2個のスイッチを押し分けて回答する。同様に,文字照合では文字の母音を照合しシンボル照合ではシンボルの形態を照合する。 6名の被験者について上記の課題遂行時の反応時間を計測した。カテゴリ照合と文字照合との反応時間(0.9,1.0s)の間に差異はないが,シンボル照合(0.5s)との比較ではいずれも有意に長かった。 同じ6名の被験者の後頭および側頭後部においてプローブに誘発される脳磁界を計測し,潜時150・300msで電流双極子源の位置推定を行った。推定結果とMRIの重ね合わせにより,双極子源は種に後頭回や,頭頂後頭溝や鳥距溝,舌状回の内側領域,舌状回や紡錘状回を含む脳底部付近に存在することが分かった。特に脳底部においては右半球では課題によらず双極子源が推定されたが,左半球ではカテゴリ照合のみで推定された。このことから,左脳底部の領域は,視覚的な単語や,形態が複雑なものの処理に関連した神経活動を仲介することが示唆される。 同様なカテゴリ照合課題遂行時に得られた脳磁界応答のうち潜時340・550msでは主に左側頭部に双極子源が推定された。単語の音韻変換や意味処理を反映すると推察される。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] S.Kuriki: "Dynamic excitation of cortical areas during visual information processing" Brain Topography Today. 64-68 (1998)
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[Publications] S.Kuriki: "Neural processing of words in the human extrastriate visual cortex" Cognitive Brain Research. 6. 193-203 (1998)
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[Publications] 砂盃尚子: "視覚呈示された単語の弁別に伴う脳磁界の計測と解析" 日本生体磁気学会論文誌. 10. 166-167 (1997)
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[Publications] 砂盃尚子: "視覚呈示された3文字かな単語のカテゴリ弁別に伴う脳磁界の計測と解析" 電子情報通信学会技術報告. MBE97-30. 35-42 (1997)
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[Publications] Y.Hirata: "Magnetic ields evoked during auditory word categorization" Neurolmage. 5. S537- (1997)
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[Publications] F.Takeuchi: "Neuromagnetic responses related to the visual perception of readable and unreadable characters and words" Neurolmage. 5. S536- (1997)