1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08458290
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Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
前田 瑞夫 九州大学, 工学部, 教授 (10165657)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中野 幸二 九州大学, 工学部, 助教授 (10180324)
片山 佳樹 九州大学, 工学部, 助教授 (70284528)
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Keywords | バイオセンサ / DNA / 遺伝子診断 / 多環芳香族化合物 / 抗DNA抗体 / 全身性エリテマトーデス / 発ガン性 / 変異原性 |
Research Abstract |
本研究では、DNAバイオセンサの診断応用に関する基礎研究を目的とした。DNAを電極上に簡便かつ効率的に固定化し、これに生体膜に学ぶ独自の電気化学的検出原理を適用することにより、種々のDNA結合性化学物質を計測する手法の確立を目指した。8年度は特に遺伝子DNAの計測に焦点を絞り、これが可能であることを実証し報告した。 本年度(9年度)は診断応用の視点から、このDNA固定化電極をバイオアフィニティー反応の解析へ応用した。すなわち多環芳香族化合物の多くは発ガン性や変異原性を有しており、DNAとの相互作用を介して生体に害を及ぼすと考えられている。そこで本研究で得たDNA固定化電極を用い、これら化学物質とDNAとの相互作用について系統的な評価を行ったところ、いくつかの結合定数が明かな物質について電極応答との間に有意な相関関係があることが明らかとなった。ラングミュイア式を仮定し電極応答と化合物濃度との関係式を導き、芳香族化合物のDNA結合能を推定することに成功した。また、全身性エリテマトーデスに関わりが深いとされる抗DNA抗体を計測対象とし、その電気化学計測にむけて基礎的な検討を行った。電極上のDNAへの抗体タンパク質の結合に伴い、電極表面の物性に変化が生じ、これを「イオンチャンネル型センサ」原理に基づく電気化学手法によって検知することにより、IgM抗体の濃度決定が可能であることを明らかにすることができた。
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Research Products
(7 results)
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[Publications] Yoshiki KATAYAMA: "Cyclic AMP Detection by Electrode Modified with 17mer Oligopeptide" Chemistry Lerrers. 1997. 883-884 (1997)
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[Publications] Toshihiro IHARA: "Gene sensor using ferrocenyl oligonucleotide" J.Chem.Soc.,Chem.Commun.1997・17. 1609-1610 (1997)
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[Publications] 中山正道: "遺伝子センサ" 海外高分子研究. 43. 129-130 (1997)
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[Publications] 前田瑞夫: "DNAバイオセンサ" 化学と工業. 50・7. 992-994 (1997)
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[Publications] Koji Nakano: "Bioaffinity Sensor Using Oligonucleotide-Modified An Electrode" Anal.Sci.13(Suppl). 455-456 (1997)
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[Publications] 梅野太輔: "機能性DNAの合成と応用:DNAハイブリッドの化学を中心に" 高分子. 46・5. 314-318 (1997)
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[Publications] Naim Akmal: "Chemistry and Technology of Chemical and Biosensors" ACS Symp.Ser,American Chemical Society,Washington DC, 印刷中 (1998)