1997 Fiscal Year Annual Research Report
イタボヤ類におけるallorecognitionの機構解明
Project/Area Number |
08459005
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
齋藤 康典 筑波大学, 生物科学系, 講師 (00196015)
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Keywords | イタボヤ / allorejection / 血球 / 血漿 / mRNA / cDNA |
Research Abstract |
本年度の研究では,主にイタボヤ類の同種異群体拒絶反応(allorejection)に関与する分子の検索を試みた.材料には世界各地で採集されるcosmopolitanな種で,現在のところ最も分子生物学的知見の多い種,Botryllus schlosseriを用いた.allorejectionを示す2群体を実験的に作成した各の群体切断面で接触させ,6時間後にそれぞれの群体から血球と血漿を採集した.また,コントロールとして,同一群体を切断面接触させ6時間後の血球と血漿を用いた.そして,同種非癒合群体と接触していた群体の血球と血漿中から,コントロールと比較して拒絶反応時に特異的に増加する,あるいは減少するタンパク質をSDS PAGEおよび2次元電気泳動法で検索をした.結果としては,明確な増減を示すタンパク質を発見することができなかった.一方,同様な方法で採集した血球を用いて,allo群体と接触した血球と接触していない血球のmRNAを調整しcDNA Libraryを作成した.この2種のLibraryを用いてsubtractionを行い,allo群体の感作を受けた血球に特有な,またはより多く発現しているmRNAのcDNA Libraryを作成した.この実験で40個23種の有効なcDNAが得られ,このうち既知の免疫関連分子にsimilarityのあるものは12種,まったく不明のものは6種あった.現在これらのmRNAの発現がin vivoで認められるかどうか,局在性はあるのか等を調べるためにin situ hybridizationを行っている.
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