1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08459008
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
平野 哲也 東京大学, 海洋研究所, 教授 (70013571)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 豊二 東京大学, 海洋研究所, 教授 (70221190)
田中 克 京都大学, 農学部, 教授 (20155170)
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Keywords | 浸透圧調節 / 鰓 / 塩類細胞 / イオン透過性 / 回遊性魚類 / プロラクチン / コルチソル / 酸性環境 |
Research Abstract |
本研究の目的は、魚類の鰓に存在する塩類細胞が、環境の塩濃度・浸透圧の変化に伴い、その機能が分化する際に関与する内分泌系を明らかにすることにある。本年度に得られた主な成果としては、1)広塩性魚類のティラピアの発生に伴うイオン透過性の経時的変化を測定したところ、海水中の胚および仔魚の透過性が淡水中と較べてはるかに高い値を示した。2)シロサケの稚魚および成魚の鰓の塩類細胞は、主に海水中における塩分排出に関与すると思われる一次鰓弁に存在する大型の塩類細胞と、淡水中でよく発達している二次鰓弁上の細胞の二型からなることが明らかとなった。3)ニジマスのコルチソル受容体遺伝子のホルモン結合部位の塩基配列を基とした合成プローブを用い、in situ hybridizationを行ったところ、淡水あるいは海水に適応したシロサケ稚魚のいずれにおいても一次および二次鰓弁の双方の塩類細胞において特異的に発現していた。また、未分化の細胞においても一部発現しており、コルチソルが塩類細胞の機能分化および機能の維持に関与していることを示唆している。4)pH3.5〜3.7の酸性環境に適応している恐山湖のウグイの鰓には、大型の塩類細胞が発達しており、その集合体は開口部を一つ持つ濾胞状を呈している。この塩類細胞の外界に面する表面にはH^+ ATPaseが局在しており、水素イオンの能動的排出に関与しているものと思われる。 次年度においては、塩類細胞におけるプロラクチン受容体遺伝子の発現および各種イオンチャンネル、イオン交換体の局在等を明らかにし、塩類細胞の機能分化に及ぼす内分泌系の関与をさらに明らかにする予定である。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] Uchida,K.,et.al.: "Changes in chloride cell activity in the gill during seawater adaptation in chum salmon fry" Journal of Experimental Zoology. 276. 193-200 (1996)
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[Publications] Uchida,K.,et.al.: "Enhanced chloride cell turnover in the gills of chum salmon fry in seawater" Zoological Science. 13. 655-660 (1996)
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[Publications] Sheraishi,K,et.al: "Development of multicellular complexes of chloride cells in the yolk-sac membrane of tilapia" Cell ands Tissue Research. (in press). (1997)
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[Publications] Kakizawa,S.,et.al.: "Elevation of plasma somatolactin concentration during acidosis in rainbow trout" Journal of Experimental Biology. 199. 1043-1051 (1996)
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[Publications] Ogasawara,T.,et.al.: "Prolactin kinetics during freshwater adaptation of mature chum salmon" Zoological Science. 13. 443-447 (1996)
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[Publications] Kakizawa,S.,et.al.: "Effects of hypothalamic factors on somatolactin secretion from the organ-cultured pituitary" General Comparative Endocrinology. 105. 71-78 (1997)