1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08506001
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Section | 試験 |
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川那辺 三郎 京都大学, 農学部, 教授 (10026396)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井倉 洋二 九州大学, 農学部, 助手 (60203270)
塚原 初男 山形大学, 農学部, 教授 (30007083)
生原 喜久雄 東京農工大学, 農学部, 教授 (00014960)
佐藤 冬樹 北海道大学, 農学部, 助教授 (20187230)
笹 賀一郎 北海道大学, 農学部, 教授 (70125318)
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Keywords | 林外雨 / 林内雨 / 樹幹流 / 土壌水 / 渓流水 / pH / EC / 乾性降下物 |
Research Abstract |
北海道の北部から九州の南部まで、各大学演習林において様々な種類の森林や樹木に関し、林外雨、林内雨、樹幹流、土壌水や渓流水を採取し、pH、ECの測定や溶存成分の分析を行い資料の集積と解析を行っている。 今までに得られた主な結果は以下の通りである。 1.市街地や工業地域に近いところでは、全般的に降雨のpHが低い。(酸性度が高い)。 2.森林の種類によって林内雨の溶存成分の構成に差が見られる。 3.林外雨のpHの違いによって、林内雨の溶存成分の濃度に差が生じる。 4.樹幹流による林内への降雨の流入量は、降水量のおよそ20%ほどである。 5.樹幹流に含まれる成分量の構成は樹種によって異なる。 6.樹冠が乾性降下物をかなり集積している可能性があることが、樹幹流の観測から推測できる。 7.樹幹流には、集積した乾性降下物が降雨によって洗い流されるとともに、葉、枝、幹などの表面から物質が溶脱されている可能性があることが伺える。タケの樹幹流にカリウムが多く含まれることは特徴的である。 8.海岸に近い地域では、海塩の影響が降雨や樹幹流に表れる。 9.森林地域における降雨が、かなり酸性である場合でも渓流水は中性に近い場合が多い。 尚、樹幹流、腐植通過水や土壌水の観測により森林の働きを解析中である。
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Research Products
(1 results)