1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08554010
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Section | 試験 |
Research Institution | Osaka City University |
Principal Investigator |
児玉 隆夫 大阪市立大学, 理学部, 教授 (90047192)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
林 征治 (株)神戸製鋼所電子技術研究所, 主任研究員
藤岡 耕治 (株)クライオウェア, 研究開発部長
畑 徹 大阪市立大学, 理学部, 助教授 (10156333)
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Keywords | 磁気シールド / SQUID / トンネル接合 / 雑音温度特性 / クライオスタット |
Research Abstract |
今年度は、SQUID素子の入手と、そのヘリウム温度(4.2K)での雑音測定、および雑音測定用周辺設備の整備を行った。また、環境雑音下でも動作可能なSQUIDを実現する方法として、SQUID駆動回路の高速動作化を目指しているが、そのための準備をおこなった。雑音除去法の開発に関しては、専用のクライオスタットの設計、製作を行った。 SQUID素子の雑音特性については、現在主流の構造であるNb-Al2O3系のトンネル接合による薄膜DC-SQUID素子を3種そろえ、雑音測定を行った。これらの素子のうち1種に関しては、ルイジアナ州立大のグループが4.2Kから50mKまで雑音の温度特性を測定したところ、熱雑音による理論値どおりに低減しなかったという報告を行っている。雑音の総量を評価する方法では、この原因を明らかにすることは難しいので、我々のグループでは、数通りの雑音発生機構が存在することを予測し、それらに対応できる準備をしている。 4.2Kにおける測定では、素子の地磁気トラップによる雑音増加を防ぐために、磁気シールドを用意した。雑音測定回路ではバイアス電流と帰還磁束電流の双方にモジュレーションを加える方法で雑音の種類分けを出来るように準備した。ヘリウム温度での測定を順次行い、測定回路をチェックしているが、この後、希釈冷凍機に素子を取り付けmK領域までの雑音温度特性を測定する予定である。 駆動回路の高速動作化については、高速動作のために、従来と異なる位相検波回路を含まない回路を用いる。そのための、回路設計と初段アンプ、フィードバック用アンプの素子選定を行った。 雑音除去法の開発については、SQUIDのFLL回路方式自身を応用した雑音除去方式を確立するための実験装置を準備し、専用のクライオスタットを設計、製作した。
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