1996 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08554013
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Section | 試験 |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
柴田 隆 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 助教授 (70167443)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
土屋 政義 (株)シグマテック, 研究開発担当
岩坂 泰信 名古屋大学, 太陽地球環境研究所, 教授 (20022709)
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Keywords | 微粒子カウンター、 / 成層圏エアロゾル、 / ミ-散乱、 / レーリー散乱 |
Research Abstract |
本年度は「気球搭載用超微粒子カウンター」の開発に際し、まず光学系の設計を行った。超微粒子カウンターを実現するに際し最も留意すべきことは、測定しようとしている粒径0.01〜0.3ミクロンの微粒子は乱断面積が小さく、従って、より大粒径粒子に比較して得られる信号が弱いこと、さらに、散乱がよりリ-領域に近づくため、大気分子によるレーリー散乱が無視出来なくなることである。ただし、散乱の角度依存性はまだ前方散乱の強いミ-散乱の特性を有しており、従来用いていた半導体レーザーと前方散乱を利用したカウンターの光学系と基本的には同一の設計にならざるを得ない。 ミ-散乱、レーリー散乱による計算では、当初の予想通り、盛層圏高度の希薄な大気では、微少粒子のミ-散乱がレーリー散乱に卓越していて相対的には十分測定可能であることが証明された。しかしながら、信号強度そのものは検知限界程度まで微弱であり、測定器を実現するには、いかに高強度の光源を用いるかが鍵である。 高強度の光源として外部共振器型のHe-Ne、及びHe-Cdレーザーを用いる計画であるが、これらのレーザーは従来のカウンターで用いていた半導体レーザーに比べて占める容積が桁違いに大きい。これらのレーザーの外部共振器を含めた上で、小型、軽量な計測チェンバーを設計する必要がある。 設計に基づき、チェンバーの試作を行い、静電式分級器を用いて0.05ミクロン程度の粒子を発生させパルス応答試験を行った。その結果、現時点では計算により予想された信号強度の約20%程度の信号しか得られていない。原因はまだ十分に特定できていないが、考えられるものとしては、1)チェンバー光学系の調整が不十分である、2)検出器の感度が予想した値より小さい、3)レーザー共振器の調整が不完全。等が考えられる。今後これらの点を詰めていき、微粒子散乱計を完成したい。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] T.Shibata et al.: "The appearance of polar stratospheric cloouds over Spitsbergen in winter 1994/1995 observed by a lidar" Proc.NIPR Symp.No.51(印刷中). (1997)
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[Publications] T.Shibata et al.: "Raman Lidar Observations : Simultaneous Measurements of Water Vapor,Temperature and Aerosol Vertical Profiles,Part I" J.Geomag.Geoelectr.VoL,48. 1127-1135 (1996)
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[Publications] T.Shibata et al.: "Raman Lidar Observations : Simultaneous Measurements of Water Vapor,Temperature and Aerosol Vertical Profiles,Part II" J.Geomag.Geoelectr.VoL,48. 1137-1144 (1996)
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[Publications] T.Shibata et al.: "Liquid Particles and Vertical Sandwich Structure of Polar Stratospheric Clouds Observed by a Lidar over Spitsbergen in the Winter 1994/1995" J.Geophys.Res.VoL,102(印刷中). (1997)
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[Publications] Y.Iwasaka et al.: "Size distribution of aerosol particles in the free troposphere : Aircraft measurements in the spring of 1991-1994 over Japan" Terr.Atmos.Ocean.Sci.(印刷中). (1997)
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[Publications] Y.Iwasaka et al.: "Stratospheric ozone and aerosol measurements in winter 1993/1994 over mid-Japan" J.Met.Soc.Jpn.14・3(印刷中). (1997)