1996 Fiscal Year Annual Research Report
宇宙空間で使用可能な高分解能四重極質量分析計の開発
Project/Area Number |
08554014
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Section | 試験 |
Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中村 正人 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (20227937)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
塚越 修 日本真空技術株式会社, 技術開発部, 主任研究員
比屋根 肇 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助手 (70192292)
杉浦 直治 東京大学, 大学院・理学系研究科, 助教授 (80196716)
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Keywords | 質量分析 / 電界放出 / 四重極質量分析器 |
Research Abstract |
電界放出型電子源を用いることにより冷たい電子を試料にあて、試料の分子構造を破壊しないと共に、4重極分析器の第2安定領域を使用することにより質量分解能の良い質量分析計を開発することを目標に本年度から開発に入った。 1.電界放出型電子源については、本年度はまず試験を行うためのターボ分子ポンプを備えた試験用チェンバーを新設した。さらにチェンバー内に電界放出型電子源を設置し,その前に静電レンズをおいて電子ビームをアノード上に焦点を結ばせる為の可動機構を整備した。さらに中性ガスを導入する装置を追加し,電離されたイオンを加速した後ファラデーカップで集めて電離効率を調べる為の構造をチェンバー内に設置した。到達真空度、清浄性ともに設計要求を満たすことを確認した。可動機構、中性ガス導入機構も正常に動作する事を確認した。当初の予定より若干遅れてはいるが、本年度の整備により来年度より開始する電界放出型電子源の試験の準備が整った。 2.第2安定領域を用いる四重極質量分析管の新しい制御方法についてはこの為の試験回路を作成した。ここで重要な素子は較正用高速耐圧ダイオードであるが、理想ダイオードに近い民生品を選び出し、所期の目的を達成できることを確認した。さらに試験回路の動作を確認しているが、電圧の高い領域で周波数の高い正弦波を生成している為、回路に発振がみられる。この原因を現在調査中であり、これに対処した後、来年度走査線の精度,安定度,及び直線性を確認する予定である。
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