1996 Fiscal Year Annual Research Report
3次元X線構造解析技術の開発-分子機能の高度化への対応-
Project/Area Number |
08554029
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Section | 試験 |
Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
三谷 忠興 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 教授 (50010939)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
片山 忠二 マックサイエンスK. K., 開発本部長, 研究職
鳥海 幸四郎 姫路工業大学, 理学部, 助教授 (90124221)
川村 春樹 姫路工業大学, 理学部, 教授 (00192005)
北川 宏 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助手 (90234244)
岩佐 義宏 北陸先端科学技術大学院大学, 材料科学研究科, 助教授 (20184864)
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Keywords | X線構造解析 / イメージングプレート方式 / 三次元構造解析 / X線吸収補正 / 極低温構造解析 / 高圧下構造解析 / 電子-プロトン運動 / プロトン移動 |
Research Abstract |
本研究の目的は、独自に開発したX線構造解析装置に搭載できる加圧用極低温クライオスタットの製作して、温度および圧力をパラメータとする定量的な三次元構造解析ができる技術を確立し,分子機能の高度化にも十分耐えうる結晶構造解析の研究環境を向上させることにある。本装置で採用したイメージング-プレート方式がカウンター方式に替わる次世代のX線構造解析手法として注目されているが、逆格子空間領域が制限されるために実測による直接的な吸収補正が行えないことがあげられ、大きな課題となっていた。特に、X線吸収能の大きい重原子を含む分子機能の高度化した結晶の解析では重要な研究課題である。本年度の技術的な課題はここにあったが、極小X線光源を採用して極低温圧力下での散乱X線の除去等を解決して、データの信頼性を保証するX線吸収補正ができるコンピュータプログラムの開発をすることに成功した。このプログラムを活用して、研究代表者らが分子素子の基礎研究の対象として開拓してきたプロトン-電子連動システム([M(H_2DAG)(HDAG)]・TCNQ錯体;M=Pt,Pd,Ni等)に適用した。プロトンの揺らぎの効果を含んだ精度よい3次元X線構造解析のデータから、これから電子-プロトン連動(量子効果)に関する貴重な情報が得られることが実証され、これまで以上に高度なX線構造解析ができうることが判明した。さらに、極低温高圧用クライオスタットの設計が完了して、いま極端条件下の精密構造解析の測定準備の段階にある。
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Research Products
(4 results)
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[Publications] M.Kurmoo et al.: "Crystal Structure and Physical properties of {bis (ethylenedithio) tetrathiafulvalene} 2dicyano-silver and-gold" Bull.Chem.Soc.Jpn.69(5). 1233-1240 (1996)
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[Publications] T.Mitani et al.: "Electron-Proton Co-operation in 1-D d-Electronic State-Basic Study of Protono-Electronics-" Mol.Cryst.Liq.Cryst.285. 249-256 (1996)
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[Publications] K.Morii et al.: "Structural Study on Novel Molecular System with Hydrogen-Bondings" Mol.Cryst.Liq.Cryst.285. 263-267 (1996)
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[Publications] T.Mitani and H.Kitagawa: "Electron-Proton Cooperation in 1-D Metallic systems" Nato Adrancid Physids and Cheranistry. (in press). 249-256