1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08554030
|
Research Institution | TOYOHASHI UNIVERSITY OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
大澤 映二 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (40001763)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小澤 理樹 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (30293757)
栗田 典之 豊橋技術科学大学, 工学部, 助手 (40283501)
スラニナ ゼネック 豊橋技術科学大学, 工学部, 教授 (10283508)
|
Keywords | 燃焼 / C60 / フラーレン生成 / フェロセン触媒 / メタロロン触媒 / 炭化水素燃料 / KT層 / 中間体 |
Research Abstract |
本研究は、フラーレンC60,C70の製造方法として用いられているアーク放電法に替わり、連続運転可能な低コスト製造法として注目されている炭化水素の不完全燃焼法の改良と実用化を目的としている。 初年度においては長い歴史を有する墨用煤のHPLC分析を行い、新しい墨に約0.1ppmのC60が含まれること、時間の経過と共にC60含量が減少し、約300年後には10分の1となること、C60含量減少速度は一次反応速度式に従うことを見出した。引き続き、2年目には燃焼実験を行い、ベンゼン、シクロヘキサンなど不飽和、飽和炭化水素を燃料として空気中でフリーに燃焼させると、常に0.1ppmのオーダーのC60が生成することを確認した。フラーレン濃度は極めて低いが、フリーフレームでは燃焼温度が低いこと、また燃え尽きるC60が相当量あることを考えると妥当な結果であろう。また、0.1ppmのオーダーは、KT層から発見されたC60濃度とも一致する。KT層のC60は6500万年前の大規模野火の際に樹木の燃焼に伴って生成したと考えられている。 燃焼実験の過程で次のような甚だ興味深い事実が得られた:(1)少量のフェロセンをベンゼンに溶解して燃焼するとC60の収率が5倍になった、(2)コバルトセン、ニッケロセンを同様に添加するとC60の収率は低下したが、同時にC60に比べてRf値0.65の位置にシャープなピークが現れた。 今後は(1)の結果を踏まえて空気予混合燃料による不活性雰囲気中の燃焼装置を用いて有機溶媒可溶金属錯体の触媒作用を系統的に探索すると共に、(2)においてはおそらくC60生成中間体が得られていると考えられるので、このものの単離同定を行う予定である。
|
Research Products
(6 results)
-
[Publications] Z. Slanina: "C_<90>-Temperature Effects on Relative Stabilities" Chem. Phys.219・2-3. 193-200 (1997)
-
[Publications] K. Kobayashi: "Endohedral Metallofullerenes. Are the Isolated Pentagon Rule and Fullerene Structures Always…" J, Am. Chem. Soc.119・56. 12693-12694 (1997)
-
[Publications] E. Osawa: "Semi-natural Occurrence of Fullerenes" Fullerene Sci. Tchnol.5・5. 1045-1055 (1997)
-
[Publications] E. Osawa: "Fullerenes in Chinese Ink Sticks. A Correction" Fullerene Sci. Technol.5・1. 177-194 (1997)
-
[Publications] Z. Slanina: "Average Bond Dissociation Energies of Fullerenes" Fullerene Sci. Technol.5・1. 167-175 (1997)
-
[Publications] S. Osawa: "Nature of Cyclobutane Bonds in [2+2]Dime, of C_<60>" J, Phys. Chem.101・3. 1378-1383 (1997)