1996 Fiscal Year Annual Research Report
好冷性藻類の遺伝子を利用した植物の高温検知機構の解明と高温耐性化の試み
Project/Area Number |
08554034
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Section | 試験 |
Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
林 秀則 愛媛大学, 理学部, 教授 (60124682)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
奥山 英登志 北海道大学, 大学院・地球環境科学研究科, 助教授 (90125295)
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Keywords | 温度耐性 / 熱変性 / イソクエン酸デヒドロゲナーゼ / 熱ショックタンパク質 / 好冷性細菌 / 遺伝子組替え |
Research Abstract |
本研究では植物の高温耐性および高温検知機構の解明を目的として、通常の植物の生育温度(10〜30℃)で変性し、かつ熱ショックタンパク質と相互作用するタンパク質を検索し、それらの遺伝子をラン藻や植物に導入して、通常の生育温度で熱ショックタンパク質を大量に発現する形質転換体の作製を試みる。この目的のためには低温で変性するタンパク質が必要となる。低温環境で生育する好冷性細菌の最適生育温度は0〜15℃であり、このような好冷性細菌の酵素は、一般的な細菌の酵素よりも低い温度で変性する可能性がある。本年度は目的とするタンパク質を得るための第一歩として、南極域に生息する最適生育温度が好冷性細菌Vibro sp. Stain ABE-1に含まれる一般的な酵素の1つで、既に塩基配列が明らかとなっているイソクエン酸デヒドロゲナーゼについて変性温度の解析を行った。 Vibrio sp. Strain ABE-1の部分ゲノムDNAライブラリーを作製し、これを利用してイソクエン酸デヒドロゲナーゼの遺伝子を単離した。これを大量発現用ベクターに接続し、大腸菌において大量発現させ、イソクエン酸デヒドロゲナーゼを単離精製した。単離精製した標品を25〜45℃の各温度で10分間処理したのち、25℃においてNADPHの吸光度変化から反応速度を求めた。温度処理による反応速度の変化から、Vibrio sp. Strain ABE-1のイソクエン酸デヒドロゲナーゼは約40℃、10分間の処理によって完全に活性を失うことがわかった。しかし予想に反してこの変性温度は通常の温度で生育する豚の心臓から精製されたイソクエン酸デヒドロゲナーゼの変性温度とほとんど同じであり、本研究で必要とされる低温で失活する酵素の候補としては利用できないことが判明した。現在すでに作製されたDNAライブラリーから別のタンパク質を検索し、それぞれの変性温度の検定を進めている。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] Allakhverdiev,S.I.,: "Stabilization of oxygen evolution and primary electron transport reactions in photosystem II against heat stress with glycinebetaine and sucrose." J.Photochem. Photobiol.34. 149-157 (1996)
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[Publications] Hayashi,H.: "Transformation of Arabidopsis thaliana with the codA gene for choline oxidase ; accumulation of glycinebetaine and enhanced tolerance to salt and cold stress" The Plant Journal. (in press). (1997)