1997 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロビームによるスピン偏極走査電子顕微鏡の試作
Project/Area Number |
08555007
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Research Institution | Sophia University |
Principal Investigator |
坂間 弘 上智大学, 理工学部, 助教授 (10242017)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河津 璋 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (20010796)
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Keywords | マイクロビーム / スピン偏極 / 走査電子顕微鏡 |
Research Abstract |
平成9年度は、前年度に製作したスピン偏極検出器を内包した小型超高真空装置を接続すべき、既存の大型超高真空装置の改造を行った。まず、試料から放出される2次電子がスピン偏極検出器に導入される際に、軌道が曲がらないようにするために装置内部全体を覆う厚さ2mmの磁気遮蔽板を製作し設置した。また、試料を保持し、これを入射電子ビームに対して平行移動、回転ができる様な試料保持装置の製作を行った。 次に、試料から放出される2次電子を効率よく収束し、スピン偏極検出器に所定のエネルギーで入射させるための電子レンズを設計し製作した。真空用配管内に電子レンズが収まるようにし、高圧用電流・電圧導入ターミナルを介して電気的に真空用配管外と接続した。具体的には、まず真空外ではターミナルと既存の電源を同軸ケーブルでつないだ。真空用配管内では、真空用同軸ケーブルを用いてターミナルと電子レンズを接続し、電源からの所定の電圧が電子レンズの各部分に与えられるようにした。さらに、電子レンズの効率をシュミレーションによって求めた。その結果、80%の2次電子の捕捉が可能であることがわかった。また、2次電子がエネルギー分解できる様に円筒鏡型エネルギー分析器を設計し製作した。そして、エネルギー分析器を電子レンズ系の途中に組み込んだ。 最終的に、2つの超高真空装置を電子レンズによって接続した。試料位置にテレビ用の電子銃を置いて熱電子を放出させ、スピン偏極検出器に電子が実際に入射することを実験的に確認した。
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