1997 Fiscal Year Annual Research Report
超音速分子線,ラジカル原子線を用いたシリコン表面プロセスの新方式
Project/Area Number |
08555008
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Research Institution | KYUSHU INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
並木 章 九州工業大学, 工学部, 教授 (40126941)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三宅 竜也 日立製作所(株), 基礎研究所, 研究員
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Keywords | 超音速分子線 / シリコン表面反応 / 水素原子線 / 水素引き抜き反応 |
Research Abstract |
平成9年度は以下の3課題を遂行した。 (1)塩素分子線を用いたシリコン表面反応 清浄シリコン表面での塩素分子解離吸着反応を分子線法で解明した。入射エネルギーE_i、及び表面温度T_sを変化させながら初期解離吸着確率S_oを求めた。S_oはE_i,T_sの増加に伴って複雑な変化を示した。その結果は前駆体経由吸着過程及び直接解離吸着過程として統一的に説明することが出来た。低温度で低エネルギー域では前者が、高温度、高エネルギー域では後者が支配的であることが判明した。結果はJ.Vac.Sci.Technol.に投稿し掲載が認められた。 (2)水素原子線による吸着水素引き抜き反応 豊橋技科大より九工大に装置を移管し、改めて、水素原子線による表面吸着水素の引き抜き反応装置を立ち上げた。RFプラズマにより水素原子線を発生し、水素吸着したSi(100)表面に照射した。脱離HD分子を直接観測は昨年よりも一層SN比を上げることが出来た。脱離HD分子の角度分布を調べたところSi-Hボンド方向にピークを持つ事が分かり、結果は現在J.Chem.Phys.誌に投稿し、掲載が認められた。 (3)物理吸着塩素の寿命 塩素分子の表面吸着寿命を吸着脱離散乱分子の飛行時間分布から求めた。その寿命の温度依存性を求め、アレニウスプロットより脱離のための活性化エネルギー及び前因子を求めた。又、それらの吸着Cs原子の影響を調べた。吸着Cs量が増えるに従って、活性化エネルギー及び前因子は増加した。結果は現在Surf.Sci.誌に投稿中である。
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[Publications] Y.Takamine,et.al.: "Angular distribution of HD produced in the abstraction reaction by incident D atoms on the monohydrided Si(100)" Journal of chemical physics. 106(21). 8935-8937 (1997)
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[Publications] H.Doshita et.al.: "Dynamical aspect of Cl_2 reaction on Si surfaces" Journal of Vacuum Science and Technology. A16(1). 265-269 (1998)