1996 Fiscal Year Annual Research Report
境界要素法を利用した長大な地中埋設構造物のカソード防食最適化システムの開発
Project/Area Number |
08555022
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
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Section | 試験 |
Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
青木 繁 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 教授 (90016436)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西川 明伸 大阪ガス株式会社, 基盤研究所(構造材料科学), 研究員
天谷 賢治 東京工業大学, 大学院・情報理工学研究科, 助手 (70251642)
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Keywords | 土壌腐食 / カソード防食 / 長大構造物 / 境界要素法 / 最適化 / 複雑な電気伝導度変化 / 基本解 / 領域分割法 |
Research Abstract |
パイプライン、油井管、建設用鋼管杭などの長大な地中埋設構造物を土壌腐食から守るカソード防を合理的に行うための基本的なプログラムを作成した。 まず、カソード防食された長大構造物が複雑な(空間的)電気伝導度変化のある地盤にまたがる場合の電位および電流密度を解析するプログラムを作成した。電気伝導度が(空間的に)直線的に変化する地盤に対処するために、支配方程式の基本解を新たに導出するとともに電気伝導度の変化に応じた分極特性の連続的変化を境界代数方程式系の係数行列の中に組み入れるなどの工夫を施した。地盤全体をいくつかの部分領域に分割し、各領域の中で上述の工夫を施しこれらの部分領域を連結して地盤全体に対する解を得るという手順を採用した。この結果を計算工学会において講演発表し、材料学会誌に論文として投稿して掲載決定の通知を得た。 つぎに、現場における地表面の電位の測定値から埋設構造物の分極特性を推定するための逆解析プログラムを作成し、数値実験によりその有効性を示した。また、カソード防食用電極の最適配置および最適防食電流決定用プログラムを作成した。この最適化においても長大構造物が複雑な(空間的)電気伝導度変化のある地盤にまたがる場合も考慮できるようにした。この結果は近々講演発表した後、論文としても発表する予定である。本年度は、設計時におけるカソード防食の最適化のために、被覆欠陥のない新しい長大構造物を想定したが、来年度には、カソード防食の実施時の最適化のために、被覆欠陥を考慮したプログラムを作成する予定である。
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