1997 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ・フレキシブル機構の加工を可能にする光造形加工システム
Project/Area Number |
08555032
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中島 尚正 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00011073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 孝弘 (株)アイシン, コスモス研究所・研究開発部, 研究員
村上 存 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (20212251)
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Keywords | マイクロ・フレキシブル機構 / 光造形 / マイクロマシン / 空気制御 / 樹脂量制御 / ラピッド・プロトタイピング |
Research Abstract |
自由液面式光造形法によって、マイクロな機構を製作するためには、光硬化性樹脂液面の表面張力などの影響を避け、造形層厚を高精度に制御し解像度を向上することが不可欠である。そこで、空気圧により液面を制御する方法を考案した。樹脂にノズルを挿入し、密閉したノズル内の空気に圧力をかけてくぼみを形成する。そして、ノズル内空気の圧力を制御することで任意のくぼみ形状を形成する実験装置を作った。しかし、大気圧の変動の影響によりくぼみ底部の液位が激しく変動することが判明した。そこで、装置全体を密閉容器に入れ、再び液位を測定したところ、液位の変動を10μm程度に抑えることができた。この変動は温変化によるものと考えられる。 空気を制御対象としている方法では、高精度の制御ができないため、樹脂量操作による液位制御方法を新たに提案した。この方式では樹脂を樹脂タンクに密閉し、くぼみを形成する部分にのみ穴が開いており、そこで空気と接している。樹脂タンクには調整針を挿入し、その棒を出し入れすることによりくぼみの形状を制御する。制御対象を液体にした場合、非圧縮性であるために圧力変動・温度変動による体積変化を最少に抑えられる利点がある。 以上の手法を用いて造形装置を製作した。樹脂タンクの上面には密着した状態でX-Yテーブルがあり、テーブルの中心にはくぼみが成形される穴がある。くぼみの上方にはレーザ変位計を取り付け、常時液位を測定する。実験により、テーブル静止時にはくぼみは安定しているが、ステージ移動時に液位が変動してしまうことが分かった。液位変動は、X-Yテーブルと樹脂タンクの接触面が滑らかでないなどの理由によるものと考えられる。それを避けるため、移動テーブルを樹脂タンク下に配置する、新しい高精度造形装置の設計、製作を終了した。
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