1998 Fiscal Year Annual Research Report
マイクロ・フレキシブル機構の加工を可能にする光造形加工システム
Project/Area Number |
08555032
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
中島 尚正 東京大学, 大学院・工学系研究科, 教授 (00011073)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山田 孝弘 (株)アイシンコスモス研究所, 研究開発部, 研究員
村上 存 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (20212251)
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Keywords | マイクロ・フレキシブル機構 / 光造形 / マイクロマシン / 自由液面 / 液面差制御 / ラピッド・プロトタイピング / くぼみ / 微細加工 |
Research Abstract |
本研究は、光硬化性樹脂表面の露光硬化スポットの周囲に微小なくぼみを形成し、局所的に樹脂自由液面を高精度に制御することによって、フレキシブルな3次元マイクロ機構を製作することを可能にする光造形システムを提案、設計、試作することを目的とする。 本年度に行った主な研究内容は、次の通りである。 (1) 三種類のくぼみを制御する方法を検討、実験した。空気圧制御法では、大気圧と温度の影響により、くぼみの液面が激しく変動することがわかった。樹脂量制御法では、大気圧と温度の影響が少なくなるが、移動板の精度や摩損の問題が生じ、樹脂量調整に対するくぼみの反応は遅いこともあることがわかった。液面差制御法では、前述の二方法の問題はなくなり、制御しやすく、装置も簡便であるが、一方、ステージ移動振動の影響があることがわかった。 (2) くぼみ形状の数式化モデルの解析に基づいて、くぼみレベルや安定性に影響する要素を分析した。その結果に基づき、液面差制御法を採用した造形装置を設計、製作した。 (3) 液層厚さの検討を行なった。液層は7μm以下薄くなると、樹脂内にある希釈剤の揮発により、くぼみの液面は自励振動が生じ、最後にテーブルに張り付いてしまう。このため、現在の実験装置構造での造形可能の液層厚さは、7μmが限界であることがわかった。 (4) 3次元CADデータから造形ファイルにの情報処理、システムの制御プログラムの設計・最適化、造形実験を行った。マイクロ・フレキシブル造形物(Cantilever)を製作した。 以上のように、本研究では、光造形における自由液面を制御対象として扱い、従来の自由液面式では不可能であった7μmの加工分解能を達成し、マイクロ・フレキシブル構造物の製作ができた。
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[Publications] 謝天宇, 村上存, 中島尚正: "液量調整による液面制御を用いたマイクロ光造形" 日本機械学会第75期通常総会講演会講演論文集(I)〔No.98-1〕. 453-454 (1998)
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[Publications] 謝天宇, 村上存, 中島尚正: "液量調整による液面制御を用いたマイクロ光造形法" 第14回ラピッド・ブロトタイピング・シンポジウム. 41-45 (1998)
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[Publications] 謝天宇, 村上存, 中島尚正: "液量調整による液面制御を用いたマイクロ光造形法" 日本機械学会第8回設計工学・システム部門講演会講演論文集〔No.98-32〕. 41-44 (1998)