1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08555038
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Research Institution | KYUSHU INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
中島 克洋 九州工業大学, 工学部, 教授 (30093967)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田丸 雄摩 九州工業大学, 工学部, 助手 (30284590)
高藤 和樹 九州工業大学, 工学部, 講師 (20128119)
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Keywords | 超精密送り / 長ストローク / 粗微動 / ボールねじ / すべりねじ / 予圧ダブルナット / 予圧変化 / 圧電素子 |
Research Abstract |
本来はバックラッシュの除去,剛性増大のために用いられる予圧ダブルナット送りねじにおいて,与圧を変化させると,ねじ内に生じる各種弾性変形のために,ナットはねじの回転がなくても微小変位することに着目し,これを微動に利用した超精密送り装置を開発した.前年度の微動の理論計算と本方式を組み込んだ超精密送り装置の製作に続いて,本年度は微動特性の実験と微動制御システムの構築および本法の応用を行った. 微動範囲は100nmから最大3μmまで得られた.この微動範囲は間座剛性によってかなり広い範囲で変えられる.また,実際の微動値と計算値の差を,ねじ山変形とねじ軸変形に分離して検討し,各々の差の程度を明らかにした. テーブル負荷に対する微動の追随性を,種々の予圧変化ステップの下で調べたが,全く問題なかった.予圧増減時の変位にヒステリシスは見られず,また折り返し点でのロストモーションもない.以上より,予圧と変位間の一義的な関係が確認できた. 微小変位計出力はナノメータオーダ領域になると不安定であり,長時間の測定に問題がある.しかし,予圧は安定した状態が保持できる,そこで,微動制御は変位フィードバックではなく,予圧による間接的な制御を行った.これによって,ボールねじでは最小ステップ送り5nm,すべり(台形)ねじでは最小ステップ送り1nmが確認できた. 本法の応用として,縦型のナノメータ送りヘッドを製作し,500nm程度の微小押し込み試験を行ったところ問題なく出来た. 今度は,粗動と微動を組み合わせた超精密位置決め制御についてさらに研究を進めたい.
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