1997 Fiscal Year Annual Research Report
ナノメータ浮上磁気ヘッドの浮上特性解析シミュレータの開発
Project/Area Number |
08555041
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Research Institution | Tottori University |
Principal Investigator |
福井 茂寿 鳥取大学, 工学部, 教授 (40273883)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
金子 礼三 和歌山大学, システム工学部, 教授 (20283955)
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Keywords | 分子気体力学 / モンテカルロ直接シミュレーション(DSMC) / マイクロトライボロジー / 分子気体潤滑(MGL) / 磁気記録 / 磁気ディスク装置 / 浮動形磁気ヘッド / マイクロメカニズム |
Research Abstract |
現用の磁気ディスク装置では、磁気ヘッドを記録媒体上で気体軸受の原理によりごくわずかに浮上させる浮動ヘッドスライダが用いられ、その浮上すきま量は0.1μm(100nm)程度以下にまで超微小化されている。今後、10〜40 Gbit/in^2程度の超高記録密度を実現するためには、数十nm程度の超微小すきまで浮上させる"近接触(Near-contact)方式"が有望視されている。本研究の目的は、超高密度磁気ディスク装置用のヘッド機構実現を目指して、10nm程度の近接触状態(Near-contact state)で相対すべり運動する記録ヘッドの動的挙動(近接触ダイナミクス)を、ミクロ/ナノメータ領域における分子気体あるいは分子液体による力学作用を考慮して詳細に解析しうるシミュレーション基本技術を開発し、これによりヘッド形状設計のための指針を得ることである。 本年度(第2年度)には、モンテカルロ直接シミュレーション法(DSMC法)による発生圧力解析の基本プログラムを完成し、これを用いたナノメータ領域の気体圧力発生の直接シミュレーション、とりわけ、ナノメータ領域内の分子気体の圧力、速度、温度等のプロフィールの詳細解析を行った。一方、すでに実績のある分子気体潤滑(MGL)解析によっても同一対象に対する解析を行い、DSMCシミュレーションの結果との詳細比較を通じて、数〜数十nm領域の発生圧力解析におけるDSMCシミュレーションの有用性とMGL解析の基本的妥当性を明らかにした。また、DSMCシミュレーションの3次元解析への拡張、流入・流出境界条件の最適化、分子気体潤滑(MGL)解析結果を援用した高速計算手法の開拓等を強力に推進した。さらには、分子気体効果を考慮した接近・衝突問題解析への展開を行い、簡易計算手法を確立した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 山根清美, 福井茂寿: "DSMC法によるナノメータ浮上ステップ形ヘッドの浮上特性解析(第2報)" 日本機械学会第74期通常総会講演会講演論文集(IV). NO.97-1. 382-383 (1997)
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[Publications] 福井茂寿, 鈴木允: "狭いすきまの排気過程のDSMC解析と分子気体潤滑(MGL)解析の比較" 日本機械学会第74期通常総会講演会講演論文集(I). NO.97-1. 102-103 (1997)
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[Publications] 山根清美, 福井茂寿: "ナノメータ浮上ステップ形スライダ気体軸受の特性解析(速度および圧力分布のDSMC法とMGL法による比較)" 日本トライボロジー学会トライボロジー会議予稿集(東京). 315-317 (1997)
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[Publications] 福井茂寿, 山根清美: "ニアコンタクト形ヘッドにおけるスクイズ気体反力の定量化" 日本トライボロジー学会トライボロジー会議予稿集(東京). 206-208 (1997)
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[Publications] Fukui,S.and Yamane,K.: "Monte Carlo Direct Simulations of Step-type Gas Bearings with Nanometer Spacingo" Prpc.of Intl.Conf.on Micromechatronics for Information and Presision Equipment (MIPE97). 71-76 (1997)
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[Publications] 山根清美, 福井茂寿: "DSMC法によるナノメータヘッド浮上特性の3次元解析(3次元化のための境界条件と形状設定の試み)" 日本トライボロジー学会トライボロジー会議予稿集(大阪). 365-367 (1997)