1997 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
08555042
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Research Institution | KYUSHU INSTITUTE OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
兼田 もと宏 九州工業大学, 工学部, 教授 (90039123)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
今里 州一 日本タングステン(株), 基山工場, 副主幹(研究職)
徳本 啓 日本タングステン(株), 基山工場, 主幹(研究職)
坂口 茂也 日本タングステン(株), 基山工場, 主席(研究職)
松田 健次 九州工業大学, 工学部, 助教授 (40229480)
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Keywords | 超硬合金 / セラミックス / 表面き裂 / 熱応力 / 残留応力 / 腐食 / 機械要素 / トライボロジー |
Research Abstract |
耐き裂超硬合金しゅう動材料開発のための設計指針を確立することを目的として,その基本となる概念を超硬合金表面上を微小接触部が移動する過程をモデル化した熱弾塑性解析を実施するとともに,コバルトまたはニッケルをバインダとしてWCの粒度を変えたもの5種,バインダレス超硬2種,ステライト及び焼結チタン合金の計9種を超硬またはセラミックスとしゅう動試験した.また,超硬ならびにチタン合金の耐食性について検討した.得られた主な成果は次のようにまとめられる. 1.高い接線力を伴った接触荷重の機械的作用がき裂発生ならびに残留応力の方向性の発生には不可欠である. 2.低接触圧力,高しゅう動速度下では,き裂はしゅう動発熱による熱応力によって誘起される残留引張応力が主要因となってもたらされ,高接触圧力,低しゅう動速度下では,接線力を伴った機械的作用が主要因となる. 3.き裂発生を防止するためには,接触圧力及び摩擦係数を低くするような設計及び材料の選択が必要である. 4.同一組成の超硬合金の耐き裂荷重は熱衝撃破壊抵抗係数の大きい方が高い. 5.しゅう動表面にしゅう動方向に存在する圧縮残留応力はき裂発生を抑える. 6.温度伝導率の高い相手材料と組合せた超硬合金には,き裂は発生しにくい. 7.超硬合金成分のC量が減少するほど,Cr添加量が増大するほど耐食性が向上する. 8.Tiの耐食性はMo添加により飛躍的に高まる. すなわち,耐き裂超硬合金の開発指針は,熱衝撃破壊抵抗係数の大きいこと,しゅう動方向に高い圧縮残留表面応力が存在すること,温度伝導率が高く,摩擦係数が低い材料と組み合わせること,である.
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Research Products
(2 results)