特殊な出口形状を有する超音速ノズルを用いた粉末冶金用超微細金属粒子製造法の開発

1996 Fiscal Year Annual Research Report

• Project/Area Number: 08555048
• Research Category: Grant-in-Aid for Scientific Research (A)
• Section: 試験
• Research Institution: Kyushu University
• Principal Investigator: 益田 光治 九州大学, 総合理工学研究科, 教授 (40038097)
• Co-Investigator(Kenkyū-buntansha): 岩本 勝治 (株)東芝, 重電技術研究所, 主査 ; 矢野 栄宣 九州大学, 総合理工学研究科, 助手 (20117279) ; 青木 俊之 九州大学, 総合理工学研究科, 助教授 (20150922)
• Keywords: 粉末冶金 / ガスアトマイジング / レーザー計測法 / ホログラフィ / TVD解析

Research Abstract

粉末冶金用原料金属粉末の製造法の一つであるアトマイジング法では、得られる金属粉末の平均粒径が数10ミクロンから数100ミクロン程度でかなり大きく、粒径の微細化がこれからの重要な技術開発の課題となっている。しかし噴流による微粒化の機構が全く分かっていないため、微粒化プラントの建設は試行錯誤法によっているのが現状で、その設計方針の確立が切実な問題になっている。本研究は、超音速ノズルから得られる噴流による液体の微粒化過程を実験的に解明し、超微粒子金属粉末を製造するための新しいガスアトマイザー超音速ノズルシステムを開発することを目的とする。本研究において、現在までに得られた結果を以下に述べる。
(1)超音速ノズルから得られる超音速噴流による水滴の微粒化過程を観測した。測定には極短パルスNd:YAGレーザーを使用したレーザーホログラフィ法とシャドウグラフ法を適用した。とくに、レーザーホログラフィ法については、Nd:YAGレーザーのTHG(紫外、波長355nm)を用いた紫外ホログラフィ法による計測を新たに考案し、実証試験を行った。この紫外レーザー・インライン・ホログラフィ法による微粒子計測は世界的に例がない新しい方法で、可視光と比較して計測領域を広くできる利点がある。ホログラムフィルムの紫外域における感光特性、ビーム伝送特性など、未知の部分も数多く存在したが、本年度の研究により、この方法により微粒子測定ができる見通しを得ることができた。
(2)ノズルからの超音速噴流の内部構造を解析するためのソフト・ウェアを製作した。数値解析には直交座標系上でTVD法を適用した。従来報告されている方法では、圧力比が30程度までしか解析できなかったが、境界条件を工夫したところ、本ソフト・ウェアで圧力比1500までの自由噴流の構造が計算できるようになった。

Research Products

• [Publications] M.Masuda: "Measurement of Electron Collision Cross-section in Shock-wave Heated MHD Plasma by an FIR laser" Proc.12th Int.Conf.MHD Electrical Power Generation. 2. 685-690 (1996)
• [Publications] 井上雅弘: "レーザー蛍光法によるキャビティのある遷音速内部流れ場の温度揺らぎ測定" 可視化情報. 16・2. 83-86 (1996)
• [Publications] 井上雅弘: "レーザー蛍光法による遷音速キャビティ流れ場の三次元構造の測定" 日本機械学会流体工学部門講演会講演論文集. 96・9. 197-198 (1996)