1996 Fiscal Year Annual Research Report
簡便かつ高精度な円錐・平板型レオゴニオメーターに関する研究
Project/Area Number |
08555049
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Research Institution | Tokyo Metropolitan University |
Principal Investigator |
水沼 博 東京都立大学, 工学部, 助教授 (20117724)
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Keywords | 粘弾性流体 / レオゴニオメーター / 遠心力 / 二次流れ / 第一法線応力差 |
Research Abstract |
希薄高分子溶液などの微小な弾性特性を円錐・平板レオゴニオメーターにより簡便かつ精度良く測定するための機器の構成と測定方法が検討された。回転駆動源は、円錐の交換が容易で、回転のふれも少なく、入手も容易な小型のボール盤とした。モーターは低回転数域で回転ムラの少ないDCモーターに交換した。このレオゴニオメーターは円錐と平板間の一様ずり流れ中に弾性によって生ずる法線応力を、平板に働く全スラストから測定するものである。このスラストの測定に電子天秤を利用した。電子天秤は【plus-minus】1mg(円錐直径40mmのとき【plus-minus】0.016Paに相当)精度のものが安価に入手てき、平板に働くスラストが変化しても荷重受け皿の高さの変化は0.1μm/gと非常に小さく、円錐と平板間のすきまの広がりによる誤差は0.6%以下と測定上問題ない。測定上の主な誤差因子は(1)遠心力による半径方向の圧力勾配とそれによる二次流れの発生、(2)円錐外縁に存在する自由表面の影響、などである。遠心力の効果は数値解析により円錐平板間のすきま角度αとRe数(=D^2_<-ω>/v)によって支配されることが明らかにされた。例えばα=1°のときにRe数が10^5を越えると、二次流れによって実際のずり速度と公称のずり速度との間に3%の差異が生ずる。従って、その誤差とRe数との関係から必要とする精度の結果を得るための測定ずり速度の上限が与えられる。このRe数を超えない範囲では、遠心力によって生ずる圧力勾配の影響は実験または数値解析により補正できる。自由表面の影響は、その形状を液量や平板外縁形状を種々に変えることによって調べた。最も良好な結果が得られた自由表面の設定は、測定試料を円錐平板間のすきまからはみ出た状態とし、平板側の外縁部にはみ出た試料を蓄えておく溝を設けることにより、その自由表面を高いずり速度まで安定に保てることがわかった。
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Research Products
(2 results)
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[Publications] 水沼博,上田耕一: "円錐・平板レオゴニオメーターによる微小法線応力差の測定" 第44回レオロジー討論会講演要旨集. 194-197 (1996)
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[Publications] Hiroshi Mizunuma,Kouichi Ueda: "Measurement of Weak Normal Stress by a cone and plate Rheogoniometer" Proceedings of 12th International Congress on Rheology. 747-747 (1996)