1998 Fiscal Year Annual Research Report
ふく射エネルギー支援による超精密射出成形技術の研究
Project/Area Number |
08555052
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Research Institution | THE UNIVERSITY OF ELECTRO-COMMUNICATIONS |
Principal Investigator |
黒崎 晏夫 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (70016442)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西尾 太一 住友化学工業(株), 樹脂開発センター, グループマネージャ(
伏信 一慶 東京工業大学, 工学部, 助手 (50280996)
竹内 正顕 桐蔭学園横浜大学, 工学部, 助教授 (70163384)
佐藤 勲 東京工業大学, 工学部, 助教授 (10170721)
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Keywords | 高分子材料 / 射出成形法 / 赤外ふく射エネルギ / ハロゲンランプ / 耐熱ガラス / 薄肉成形品 / 樹脂充填性 |
Research Abstract |
高分子材料の射出成形法において、成形途上にある樹脂表層部の温度低下をふく射加熱により抑制することで,得られる成形品の品位が著しく改善されることを,成形実験・伝熱計算の両面より前年度までの研究で明らかにしてきた.これまでの研究ではふく射加熱源として炭酸ガスレーザを,その発振波長域の赤外ふく射を透過させる金型窓材料としてセレン化亜鉛を使用してきた.しかしながらこれらを使用するシステムは,価格の面から実成形への適用を妨げる恐れがあると考えられた.そこで本年度は,これまでに得られた知見に基づき,十分な効果を有しつつも実用に際してより有利なシステムの提案を行うと共に,その有効性について実験的な検討を与えることを目的として研究を遂行した. 実験ではふく射加熱源として赤外ふく射エネルギを発するハロゲンランプを,そのふく射を透過させる金形窓材料として耐熱ガラス(TEMPAX)を使用した.また成形樹脂として主としてポリスチレンを使用し,比較実験ではポリエチレンも用いた.以上のシステムを用いて,薄肉形状を有する成形品の充填性に対するふく射加熱の影響を実験的に検討したが,その結果は以下に整理する通りである. ・ハロゲンランプをふく射加熱源システムにおいても,樹脂充填性に対する効果が確認された. ・ふく射加熱及び各成形パラメータの樹脂充填性に与える影響を統一的に評価するために,樹脂内部のエネルギバランスに注目したモデルを導いた.これにより様々な成形条件下におけるふく射加熱の効果を定量的に予測できることが示された. ・上記で導いたモデルと同様のアプローチにより,複雑な伝熱計算や流動解析を行うことなく異なる成形品形状,あるいは異種の材料に対しても同様にふく射加熱の効果を推測することが可能となった.
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