1996 Fiscal Year Annual Research Report
2色放射温度計の原理を利用した赤外線温度画像システムの実用化研究
Project/Area Number |
08555053
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Section | 試験 |
Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
一宮 浩一 山梨大学, 工学部・機械システム工学科, 教授 (30037923)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松尾 英人 鉄道軌材工業株式会社, 開発部, 部長
山田 純 山梨大学, 工学部機械システム工学科, 助教授 (40210455)
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Keywords | 放射温度計 / ふく射 / 温度計測 / 温度画像装置 / 赤外線 / 赤外線カメラ |
Research Abstract |
本研究グループの1人が過去に提案した,2色放射温度計の原理を応用した新しい赤外線温度画像システムについて,本年度では,その温度計測精度の改善に関する理論的検討およびその実験的検証を行った.本システムは,赤外線温度画像システムの検知波長領域をフィルターを通して2つの領域に分け,それぞれの波長領域において計測されるふく射強度のデータから,2色温度計の原理により温度を決定するもので,対象物の放射率が未知の場合でも正しい温度が得られることに特徴がある.このシステムでは,検知領域を2つに分割する波長(分割波長)が温度計測精度に強く影響を及ぼすとの予測から,ここでは,この分割波長が温度計測誤差に与える影響を理論的に検討した.その結果,温度計測誤差を最小にする最適分割波長が存在することを明らかにした. この理論的検討においては,赤外線温度画像装置において計測されると予測される理論ふく射強度を元に,検討が行われているが,この理論の有用性を確かめるためには,理論ふく射強度と,実際に赤外線温度画像装置において計測されるふく射強度が一致する必要がある.実際に比較を行ったところ,両者は極めて良く一致し,上記理論の有用性が確かめられた.さらにここでは,理論的に予測される最適分割波長で,実際に,赤外線画像装置の検知波長域を分割し,可視化される温度の精度が改善されることを確認した. 次年度の研究においては,時々刻々放射率が変わる対象物に対して,適用可能なシステムについて実験的検討行う予定である.
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