1997 Fiscal Year Annual Research Report
劣質炭使用国における健康と環境を管理するための新型式燃料の開発
Project/Area Number |
08555054
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Research Institution | TOYOHASHI UNIVERSITY OF TECHNOLOGY |
Principal Investigator |
金 煕濬 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (50242045)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤原 尚樹 出光興産(株), 新燃料部, 主任研究員
上出 光志 北海道立工業試験場, 資源エネルギー部, 主任研究員
成瀬 一郎 豊橋技術科学大学, 工学部, 助教授 (80218065)
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Keywords | 脱硫剤 / 脱硝剤 / 自己脱硫 / 自己脱硝 / バイオマス / バイオブリケット / 石炭 / 燃焼 |
Research Abstract |
今年度、研究実績の概要は以下である;劣質炭にバイオマスとして林産・農産廃棄物(廃樹皮、稲わら、トウモロコシ茎)を、脱硫剤として石灰石・貝殻を、脱硝剤としてパルプ黒液を混合して、劣質炭使用国における人々の健康改善と環境を管理することが可能な、自動脱硫・脱硝機能付き新型固体燃料(以下はバイオブリケットと呼ぶ)を開発した。燃焼および熱分解実験を行い、バイオブリケットの燃焼は揮発分放出・燃焼とチャー燃焼の二段階で進行することなどを明らかにした。また、体積モデルと未反応核モデルを用いて半経験的な式を提案し、バイオブリケットの灰分析だけで燃焼速度を精度良く解析できるようにした。この式はバイオブリケットの燃焼器設計に重要な指針を与えることが出来ると予測される。バイオブリケットの脱硫率はガス温度(700°C以上では)より炭種に強く依存すること、脱硫剤の焼成温度と脱硫率との関係などを明らかにした。工業廃棄物である貝殻は石灰石より良い脱硫効果が得られた。また、脱硫率が予測可能なモデルを提案した。そのモデルを用いて計算した結果は実験の結果と精度良く一致した。さらに、脱硫剤の添加方式を二層構造にすることにより、脱硫率をCa/S比1で約3倍増加させることが出来た。特に、本研究では世界で初めて、パルプ黒液を添加して自動脱硫機能付きバイオブリケットを開発した。脱硝性を明らかにするため、様々な実験条件で実験を行った。その結果として、NOの生成量は温度と共に増加するがN2Oの生成量は減少する(600-900°C)こと、バイオマス添加量の増加と共にNO・N2Oが両方減少すること、パルプ黒液の添加量の増加と共に脱硫率が上がることなどを明らかにした。最後に、灰のXRD分析結果からパルプ黒液に含まれているNaOH成分とNOxが反応してNaNO3成分となる脱硝メカニズムであることが分かった。
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[Publications] 呂 国慶ら: "バイオブリケットの基礎燃焼特性" 化学工学論文集. 23・3. 404-412 (1997)
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[Publications] 呂 国慶ら: "バイオブリケットの燃焼速度に及ぼす炭種・成形条件の影響" 化学工学論文集. 23・6. 954-961 (1997)
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[Publications] Guo-Qing Lu, Hee-Joon Kim: "“Experimental Study on Self-desulfurization Characteristics of Biobriquett"" Energy & Fuels. (Submited to).