1996 Fiscal Year Annual Research Report
ノズル内ガス温度の多点同時測定による大電流アークの遮断メカニズムの実証的研究
Project/Area Number |
08555068
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Section | 試験 |
Research Institution | Nagoya University |
Principal Investigator |
松村 年郎 名古屋大学, 工学部, 教授 (90126904)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小島 千人 愛知電機(株), 研究員
横水 康伸 名古屋大学, 工学部, 助手 (50230652)
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Keywords | 大電流アーク / 遮断 / 温度 / 分光 / スペクトル / 鉄蒸気 / SF_6ガス / 過渡回復電圧 |
Research Abstract |
本年度においては,本科研費で新しく購入したスペクトル検出システム2式と既存の分光器を改良したスペクトル検出システムを組み合わせて,多地点多波長同時スペクトル観測システムを構築した。主として,平板状ノズルアーク装置の電流零点近傍におけるノズル内温度分布の過渡推移を実測した。その主な実測および検討結果は次の通りである。 ・鉄電極を備えたSF_6ガス吹付け平板状アーク装置において,電流零点前後の鉄原子スペクトル線2本およびバックグラウンド光の計3波長のスペクトル強度の時間変化を3地点同時に観測した。ここでは,鉄原子スペクトル線として,波長426および442nmを採用した。電流波高値2kA,SF_6ガス流量50l/minで過渡回復電圧TRVを印加しない場合について,残留アーク温度分布の過渡推移を求めたところ,上流側の方が低い傾向にあることが分かった。また,電流零点後約40μsで温度は3,000Kにまで低下している。 ・高温空気および高温SF_6ガスの粒子組成,熱力学および輸送特性を理論的に算定した。その結果,鉄蒸気が質量比で10^<-2>%混入しても,それらは純粋SF_6ガスの場合とほとんど変わらないことが判明した。 ・鉄原子スペクトル線およびバックグラウンド光の放射強度測定値を利用して,鉄蒸気混入率を算定する方法を考案した。ここで,バックグラウンド光として,4種の連続スペクトルの他,S_2分子スペクトルの考慮すべきであることを明らかにしている。本実験の場合,鉄蒸気混入率は10^<-2>%程度であることが分かった。 ・平板状アーク装置のノズル軸上において一次元エネルギー方程式を数値的に解き,過渡回復電圧印加時における温度の過渡推移を求めた。この結果,本装置の遮断限界が過渡回復電圧上昇率8V/μsであると推定でき,実験で得られた遮断限界と同オーダであることを確認した。
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Research Products
(6 results)
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[Publications] 石川基博: "SF_6吹付け量増大による平板状ノズルスロート部の残留アーク温度の低下" 平成8年度電気関係学会東海支部連合大会講演論文集. 159. 80 (1996)
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[Publications] 田中康規: "電子温度がガス温度より高い二温度状態におけるSF_6熱プラズマの導電率" 平成8年度電気関係学会東海支部連合大会講演論文集. 161. 81 (1996)
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[Publications] 横水康伸: "温度6000K以下のSF_6プラズマの主要放射スペクトル" 平成8年度電気関係学会東海支部連合大会講演論文集. 162. 81 (1996)
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[Publications] 加藤昌浩: "水蒸気混入による空気アークの電界の強さの増大" 平成8年度電気関係学会東海支部連合大会講演論文集. 163. 82 (1996)
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[Publications] 石川基博: "残留SF_6アークのS_2および連続スペクトル" 電気学会開閉保護研究会資料. SP-96-75. (1996)
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[Publications] 加藤昌浩: "水蒸気が混入した空気アークの電界の強さ-電流特性" 電気学会開閉保護研究会資料. SP-96-74. (1996)